日本の電力会社全体にとって重要な教訓
〔1〕3つの報告書が発表される
北海道電力管内の全域295万戸が大規模地震によってブラックアウトしたことは、日本の電力史上で初めての事態であり、国際的にもめずらしい事象であった。
このため、今回のブラックアウトは北海道電力のみならず、今後、日本の電力会社全体にとって重要な問題と受け止められており、その教訓から学ぶところが多い。そのため、表1に示す通り、
(1)経済産業省から、「電力レジリエンスワーキンググループ中間取りまとめ」
(2)北海道電力から「北海道胆振東部地震対応検証委員会 最終報告について」
(3)OCCTOから「平成30年北海道胆振東部地震に伴う大規模停電に関する検証委員会最終報告」
という、3つの報告書がたて続けに発表された。
表1 「平成30年北海道胆振東部地震」関連の3つのレポート(中間取りまとめ/報告書)
OCCTO:Organization for Cross-regional Coordination of Transmission Operators、電力広域的運営推進機関
出所 表中の各サイトより編集部で作成
〔2〕OCCTO検証委員会の役割
OCCTO検証委員会では、今回のブラックアウトについて中立的な立場から解明することを任務に、表2に示す3つの諮問事項を受け、審議・解明が行われた。
表2 OCCTOの「平成30年北海道胆振東部地震に伴う大規模停電に関する検証委員会」への諮問事項および開催内容
出所 http://www.occto.or.jp/iinkai/hokkaido_kensho/files/181219_hokkaido_saishu_gaiyou.pdfをもとに編集部で作成
同委員会では、4回におよぶ審議を重ね、中長期対策の検討やシミュレーションを実施し、具体的な防止策をまとめた最終報告書を公表した。
なお、表3に、本記事中に登場するキーワードを簡単に解説しているので参考にしていただきたい。
表3 本誌に登場する大規模停電検証に関連するキーワード
出所 各種資料をもとに編集部で作成
▼ 注1
OCCTO検証委員会:正式名「平成30 年北海道胆振東部地震に伴う大規模停電に関する検証委員会」。OCCTO:Organization for Cross-regional Coordination of Transmission Operators、電力広域的運営推進機関(2015年4月1日設立)