[RE100加盟企業に聞く!]

大和ハウスグループの環境負荷(CO2)ゼロへの挑戦

─ 船橋市で日本初の「再エネ100%のまちづくり」を開始 ─
2019/11/01
(金)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

現在、売上高約4兆円の大和ハウスグループは、3つの国際的イニシアティブ「SBT」「EP100」「RE100」に参画し、グループとして環境負荷“ゼロ”(CO2ゼロ)の実現に挑戦しながら、創業100周年にあたる2055年に売上高10兆円を目指してビジネスを展開している。
ここでは、大和ハウスグループの環境・エネルギーへの取り組みや、「SBT」「EP100」「RE100」への加盟理由、さらに、千葉県船橋市の日本初の「再エネ100%のまちづくり」に至るまで、大和ハウス工業株式会社 次世代イノベーション部門 環境部 環境マネジメントグループ グループ長 山本 亮(やまもと りょう)氏と、同環境部 環境経営推進グループ 主任技術者 園田 峯三(そのだ ほうぞう)氏のお二人にお聞きした(表1参照)。

大和ハウスグループの「サステナビリティレポート 2019」

〔1〕「サステナビリティレポート 2019」とは?

―編集部 大和ハウスグループのESG(環境・社会・ガバナンス)に関する経営ビジョンや実践報告がまとめられた「サステナビリティレポート 2019」(A4判、262頁注1が発行されましたね。

山本 はい。このレポートには、当グループの長期経営ビジョン(①社会性長期ビジョンと②環境長期ビジョンの両面)の全容を示しながら、直近3カ年を対象とした第6次中期経営計画(2019〜2021年度)に基づき、環境負荷低減と企業収益の両立に取り組んでいるところです(図1参照)。

図1 大和ハウスグループのセグメント別売上高の比率(2018年度実績値)

図1 大和ハウスグループのセグメント別売上高の比率(2018年度実績値)

出所 https://www.daiwahouse.com/sustainable/csr/pdfs/2019/BusinessConcept.pdf

 創業者の石橋 信夫(1921〜2003年)は、『何をしたら儲かるかという発想ではなく、どういう商品や事業が世の中のためになるかを考えろ。“日本列島のリフォームは、森林を残すことです” “21世紀は「風・太陽・水」の世紀だ”』という、まさに今日のSDGsを物語るような言葉を残しています。

表1 大和ハウス工業株式会社のプロフィール(敬称略)

表1 大和ハウス工業株式会社のプロフィール(敬称略)

※スコープ1:自社のエネルギー使用による直接排出
スコープ2:自社のエネルギー使用による間接排出
出所 https://www.daiwahouse.co.jp/company/outline/index.html

〔2〕2055年を見据えた環境長期ビジョン“Challenge ZERO 2055”

―編集部 環境長期ビジョンについてもう少し詳しく教えてください。

山本 環境長期ビジョン“Challenge ZERO 2055”では、創業100周年にあたる2055年を見据え、サステナブル(持続可能)な社会注2の実現を目指し、後出の図2に示す4つの環境重点テーマ(Challenge1〜Challenge4)を定め、環境負荷“ゼロ”に挑戦しています。

図2 環境長期ビジョン“Challenge ZERO 2055”と4つのテーマ

図2 環境長期ビジョン“Challenge ZERO 2055”と4つのテーマ

※大和ハウスグループでは、2017年、従来発行していた「CSRレポート」を「サステナビリティレポート」に改称、以降、2018年、2019年と発行している。
https://www.daiwahouse.com/sustainable/csr/esg/csr_report/
https://www.daiwahouse.com/sustainable/csr/esg/csr_report/backnumber.html
出所 大和ハウスグループ「サステナビリティレポート 2019」

 この環境長期ビジョンからバックキャスティングし、第6次中期経営計画と対象期間を合わせた3カ年の環境行動計画「エンドレス グリーン プログラム2021(EGP 2021)」を策定しています。当計画では、「気候変動の緩和と適応」を最重要テーマとし、「SBT」「EP100」「RE100」(表2)の目標の達成に向けて、温室効果ガスの削減、省エネ、創エネを推進しています。

表2 「SBT」「EP100」「RE100」のプロフィール

表2 「SBT」「EP100」「RE100」のプロフィール

IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change、国連の気候変動に関する政府間の組織。人為起源による気候変化、影響、適応および緩和方策に関し、科学的な見地等から評価を行うことを目的として、1988 年に国連環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)によって設立された組織。2013年の第5次報告書(Fifth Assessment Report: Climate Change 2013:AR5、5~7年間隔で作成。現在、第6次報告書作成中)の後、2018年10月8日に「1.5°C特別報告書(Global Warming of 1.5 ºC)」が公表された。
出所 https://www.ipcc.ch/sr15/http://www.env.go.jp/earth/ipcc/6th/ar6_sr1.5_overview_presentation.pdf


▼ 注1
https://www.daiwahouse.com/sustainable/csr/esg/csr_report/

▼ 注2
環境と経済を両立できる社会のこと。基本的には、将来の世代のニーズも満足させる「持続可能な開発」※の考え方に沿って構築される社会のこと(環境省)。
※持続可能な開発の定義:人々の生活の質的改善を、その生活基盤となっている各生態系の収容能力の限度内で生活しつつ達成すること(1991年 国際自然保護連合、国連環境計画、世界自然保護基金)。

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