2050年アサヒカーボンゼロの実現に向けた展望
―編集部 最後に、2050年カーボンゼロの目標達成に向けた展望をお聞かせください。
原田 アサヒグループは、脱炭素社会への移行を促進させることを目的として世界の企業や投資家、国際機関などによって設立された連合体「We Mean Business」(WMB)注16が、2021年9月30日にG20各国政府に向けて発信した、温室効果ガスの国別削減目標の強化を求める共同書簡に賛同しました注17。
2050年カーボンニュートラルを実現し、パリ協定の目標である気温上昇を1.5℃未満に抑えるためには、2030年までのCO2排出量削減に向けた取り組みの加速が非常に重要です。
今回の共同書簡は、その目標の実現に向けてG20リーダーたちがさらに一歩踏み出し、一丸となって行動することを要請するものです。
アサヒグループが掲げる「アサヒカーボンゼロ」の実現には、厳しい道のりが待っていると思います。しかし、アサヒグループCEO自らが、その目標達成に対して非常に前向きに考え、行動していますので、ステークホルダーの皆さまとともに困難を乗り越えて、一丸となって脱炭素社会を実現していきたいと考えています。
―編集部 ありがとうございました。
アサヒグループホールディングス「環境報告書」(2021年10月発行)
本報告書は、「環境」への取り組みに特化して、方針・戦略・活動・成果について開示している。
特に、「アサヒグループ環境ビジョン2050」の“ニュートラル&プラス”の発想に基づく4つの目標に沿って、「気候変動」「異常気象」「廃棄物」といった社会課題から特定した事業活動に関わるリスクと機会に対応する取り組みを整理し、説明している。中でも、ステークホルダーとの共創により環境価値を向上する取り組みや、バリューチェーンの各段階において環境負荷の低減を実現する取り組みを中心に紹介している(Web版のみ)。
■https://www.asahigroup-holdings.com/ir/pdf/annual/2020_environmental.pdf
▼ 注16
気候変動対応を推進する国際機関やNGOなどにより設立されたグローバルな非営利団体(パリ協定の締結前年の2014年9月に設立)。2,474社が加盟(時価総額:2,480兆円、2021年10月現在)。SBTやEP100、RE100などの気候変動に関する企業のコミットメントをとりまとめるなど、世界の巨大なプラットフォームとして活動している。We Mean Businessとは、「我々は本気で温暖化対策(現在はパリ協定)をビジネスの問題として考えている」を意味する。