2014年2月号
8月31日、2017年の香港特別行政区長官の「普通選挙」の実施に関する中国の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)常務委員会の決定が発表された。念願の直接普通選挙実施がようやく実現するというのに、この発表に、おそらく香港人は誰ひとり喜ばなかっただろう。
なぜならこれは、民主党候補の立候補を事実上排除した「ニセの普通選挙」だからだ。香港にも深圳経由で中国から流入するニセブランド品は売られているが、ついに普通選挙もニセモノが導入されることになった。この夜、民主派グループ「和平占中=平和にセントラルを占拠せよ」(オキュパイ・セントラル)らの呼びかけで、全人代決定への抗議集会が行われた。主催者発表では約5000人の香港市民が金鐘の香港政府総部ビル前の添馬公園に集まり、真の普通選挙実現のために、いよいよ金融街占拠計画を実行すると予告した。8月最後の日曜日。これは香港の絶望の日となるのか。あるいは、香港人が本気で立ち上がり抵抗を見せる蜂起の始まりの日となるのか。
