2015年4月23日、株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ、東京都江東区)は、メタウォーター株式会社(以下:メタウォーター、東京都大田区)と上下水道事業向けIoTサービス分野における協業に、基本合意したことを発表した。
2015年度下半期以降、メタウォーターが提供する、浄水場・下水処理場内のプラント監視および流量・水圧・残塩濃度などの監視システム(以下:広域監視コンテンツ)と、NTTデータが新たに開発したIoTクラウド基盤とを連携し動作させることで、より高性能な監視サービスを両社で展開いく。
NTTデータではこのIoTクラウド基盤を、上下水道分野におけるスマートメーター導入後の料金業務や漏水対策のコンテンツ開発などへ活用することを目指すと同時に、河川道路など水道事業以外の公共インフラ分野や、防災分野および民間プラント分野への展開についても検討を進めていくことで、IoTクラウド関連ビジネスを5年後の2020年までに、年間100億円規模に成長させることを目指す。同事業の背景と概要は次の通りとなる。
◆背景
国内の公共上下水道事業は、より効率的な事業運営を行うべく、民間への事業運営委託や、民間資本導入による経営・包括委託へのシフトが今後ますます加速化していくことが見込まれている。NTTデータでは、今後、公共上下水道分野におけるIT活用ニーズがこれまで以上に高まるととらえ、2014年5月より、メタウォーターと公共の上下水道分野における効果的IT活用の実現に向けて、共同で検討を続けてきた。検討の結果、センサーを活用したIoT技術による情報収集や、ビッグデータ分析の領域においてIT活用の有効性が確認できたことから、その中核となるIoTクラウド基盤の構築を決定し、メタウォーターと連携して上下水道事業向けIoTサービスを開始することとなった。
◆クラウド基板の概要
IoTクラウド基盤は、以下の主に5つの機能を有するサービスとなる。
- センサーや装置などから情報を収集、蓄積、保守、管理する機能を有し、ビッグデータ分析を行うための基盤として、水道事業分野のみならず、さまざまな領域で活用が可能なIoT(M2M)サービス。
- 現場での接続機能:フィールド(現場)における各種装置・センサー・無線装置などと接続を可能とする機能
- 通信環境対応:フィールド端末とクラウドとをつなぐさまざまな通信回線に対応する機能
- 情報処理機能:センサーから収集した、多量のデータ・画像を瞬時に処理・蓄積する機能
- センター機能:顧客の優れたコンテンツや解析基盤などと連携する機能。24時間365日の監視保守機能。
◆メタウォーターとの協業内容
2015年度下半期以降、メタウォーターが提供している上下水道事業者向け監視サービス「WBC」(ウォータービジネスクラウド、以下:WBC)と、このIoTクラウド基盤を組み合わせ、より高性能なサービスとして提供を開始する。
◆提供サービス
メタウォーターの広域監視コンテンツをNTTデータのIoTクラウド基盤と連動し、提供する。
メタウォーターが独自に開発したWBCの広域監視コンテンツ等を、NTTデータが提供するIoTクラウド基盤上で動作させることで、テレメーター装置など、従来特定のフィールド端末装置等が必要だった広域監視業務に、耐環境性にも優れ、かつ汎用的に入手可能なマイクロサーバーなどのさまざまな端末装置を用いることが可能となる。これにより、水道事業者はコストを抑えた機器調達を行うことが可能となる。
さらに従来に比べ、画像データの適用やデータ収集頻度を上げることができるなど、各種機能を向上させることでより高機能で安価なサービスを提供する。
◆両社の役割
メタウォーター:WBCの監視サービスのコーディネート、および販売
NTTデータ:IoTクラウド基盤の提供