タンデム型ペロブスカイト量産へ、政府が2社に94億円支援
30年にカネカ・長州産業が効率30%以上、コスト12円/kWh以下目指す2026年2月9日 (月曜) 8:00
タンデム型量産化へカネカ・長州産業に94億円支援
経済産業省は、次世代太陽電池の本命として期待の高い「タンデム型ペロブスカイト太陽電池」の量産化に向け、株式会社カネカ(以下、カネカ)と長州産業株式会社(以下、長州産業)の2社に計約94億円を支援する。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)の新事業を通じて拠出する。大型モジュールの開発と量産化技術を確立し、2030年度までに変換効率30%以上、住宅用途で発電コスト12円/kWh以下を目指す。NEDOが2026年2月6日に発表した。
図1 NEDOの新事業では、異なる波長帯の光を吸収する太陽電池の2つを積み重ねたタンデム型ペロブスカイト太陽電池を支援する。図はタンデム型の仕組みを説明したもの。
出所 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構、「事業概要資料」
2030年度中に年間500メガワット以上製造へ
タンデム型ペロブスカイト太陽電池は、ペロブスカイト太陽電池と異なる波長帯の光を吸収する太陽電池の2つを積み重ねることで、太陽光を無駄なく吸収し、発電効率を高める。既存のシリコン太陽電池の置換えが期待されているが、技術開発で中国が先行している。
NEDOが開始した「次世代型タンデム太陽電池量産技術実証事業」では、政府のグリーンイノベーション基金の一環として、2025年度から2030年度までの期間に実施する。事業の予算上限額は153.3億円。
今回の採択にあたり、2030年度中に年間500メガワット以上の製造能力を構築することを条件とした。研究開発にとどまらず、社会実装までを見据えた支援体制を敷く。
製造技術面で、中間層を最適化するための技術や、凹凸部分への均一な塗布技術の開発に加え、シリコン電池相当の耐久性確保やモジュール化技術の開発を進める。これらにより、高性能かつ大型のモジュールを製造するためのプロセスを確立したい考えだ。
モジュールの変換効率は、1平方メートル以上の大きさで30%以上を目標にする。
製造現場における作業時間の短縮や歩留まり率の向上を追求し、現在の住宅向けシリコン太陽電池よりも低コストとなる12円/kWh以下を目指す。
屋根設置や地上設置、営農型などでの実装を想定した実証により、発電性能を検証する。
参考サイト
国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構 ニュースリリース 2026年2月6日、「グリーンイノベーション基金事業「次世代型太陽電池の開発/次世代型タンデム太陽電池量産技術実証事業」を新たに開始しました」
国立研究開発法人、「事業概要資料」
株式会社カネカ ニュースリリース 2026年2月6日、「NEDOグリーンイノベーション基金事業「次世代型タンデム太陽電池量産技術実証事業」に採択」
資源エネルギー庁 2025年9⽉、「「次世代型太陽電池の開発」プロジェクトにおける取組の追加について」



