ボッシュは2017年6月8日、トマトを栽培するハウス農家向けに無線接続の環境センサー類とセンサー情報を集積するクラウドサービスをセットにしたシステム「Plantect」を提供すると発表した。すでに受注受付は始めており、8月から順次出荷開始する予定。
提供するセンサーは温湿度センサー、CO2濃度センサー、日射量センサーの3種類。電源としてアルカリ乾電池を使用するため、電源ケーブルを引く必要はない。また3種類とも、LoRaWANの通信機能を備えており、無線で測定データを送信できる。使用時は近隣にLoRaWANの通信機を設置する。通信機はLTEの通信機能も備えており、LoRaWANで集めたデータをLTEを使ってインターネット経由でクラウドに送信する。
図 ボッシュが提供するセンサーと通信機。左から温湿度センサー、CO2濃度センサー、日射量センサー、右にあるのが通信機
出所 ボッシュ
センサーが検知したデータの推移は、パソコンやスマートフォンでボッシュの運営するクラウドにアクセスすることで、グラフの形で確認できる。タップ操作など簡単な操作で、より詳細なデータを取得することも可能。
図 センサーが収集したデータはパソコンやスマートフォンで簡単に確認できる
出所 ボッシュ
Plantectは3種類のセンサーも含めて、月々定額の支払いで提供する。温湿度センサー、CO2濃度センサー、日射量センサー、通信機に加えてクラウドサービス利用料金、LTEの通信費用も合わせて価格は月額4980円(税別)。無線通信でそれぞれの機器は電池で駆動するので、大がかりな設置工事は必要ない。ボッシュは機器が届いたら数分で使い始められるとしている。
ボッシュはさらに、オプションのクラウドサービスを用意している。クラウドに集まったデータを分析して、トマトが病害にかかる兆候を検出する「病害予測機能」だ。この機能もスマートフォンなどでクラウドにアクセスすることで、簡単に利用できる。
図 ハウス内の温度上昇などの環境の変化から、トマトが病気にかかる可能性を検知する
出所 ボッシュ
病害予測機能はオプションとして月額3350円(税別)で提供する。ボッシュは今後、トマトに限らずいちご、キュウリ、花卉類などに対応する病害予測サービスを開発し、提供していくとしている。
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