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日本エア・リキード、川崎市初の水素ステーション建設へー2018年4月に営業開始

2017/11/07
(火)
SmartGridニューズレター編集部

日本エア・リキードは、神奈川県川崎市に「川崎水素ステーション」を開設すると発表した。

日本エア・リキードは2017年11月6日、神奈川県川崎市に「川崎水素ステーション」を開設すると発表した。すでに建設工事は始まっており、2018年3月に竣工、4月に営業を始める予定。これまで川崎市には移動式の水素ステーションが1基あるだけで、本格的な水素ステーションは今回開設するものが初めてとなる。日本エア・リキードはこれまでに、日本全国5カ所に水素ステーションを開設してきた。今回の川崎水素ステーションで6カ所目となる。

図 「川崎水素ステーション」の完成イメージ図。2018年4月に営業開始の予定だ

図 「川崎水素ステーション」の完成イメージ図。2018年4月に営業開始の予定だ

出所 日本エア・リキード

「川崎水素ステーション」の建設地は神奈川県川崎市川崎区小島町。グループ会社である川崎オキシトンのガス製造拠点の隣接地で、首都高速神奈川6号川崎線の殿町出入り口の近くだ。隣接する浮島では、さまざまな企業が多数の工場を運営している。敷地面積はおよそ900m2。水素は関東近県の拠点で生産して、「カードル」に圧入して搬入する方式を採る。

図 「川崎水素ステーション」の建設地周辺

出所 Google

ステーションには車両に水素を充填するディスペンサーを1基だけ設置する。車両への水素充填圧力は82MPa。トヨタ自動車の「MIRAI」や、本田技研工業の「CLARITY FUEL CELL」に対応できる圧力となっている。3分以内で燃料電池車1台に水素を充填できる。ステーション全体の水素供給能力は1時間当たり300Nm3。燃料電池車6台に水素を満充填できる量だ。

今回の建設工事では圧縮機及び蓄圧器など、水素ステーションに必要な機器のほとんどを1つのパッケージに収めるように建設する。これで建設時間の短縮と機器設置面積の削減を期待できる。主要な機器を収めたパッケージを工場で生産することも可能だという。

日本エア・リキードは、建設地としてこの場所を選んだ理由として、川崎市が水素ステーションの空白地帯であることを挙げた。先述のように川崎市には移動式水素ステーションが1基あるのみだった。一方、川崎市の両隣となる東京都と横浜市にはある程度の数の水素ステーションがある。東京、横浜間の移動の途上や、横浜方面から千葉方面の移動の途上で水素を補給したいという需要に応えられるとしている。さらに、川崎市が水素の活用を掲げてさまざまな施策を打ち出している点も大きなポイントとなった。

現時点では、関東近県で生産した水素を搬入する形で運用するが、日本エア・リキードは周辺に林立する工場から、副産物として発生する水素を調達し、工場から水素ステーションに直接水素を送る可能性も探っているという。


■リンク
日本エア・リキード

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