今後の展開:初の試みとなる蓄熱槽のデマンドレスポンスへの利用
横浜市の総合エネルギー戦略に基づく、熱供給センターの先進的な設備と効率的な「熱」利用の概要を見てきたが、この中で、蓄熱槽をデマンドレスポンス(電力の需給調整)に利用するという横浜市への提案は、実証事業として取り組んだ前例はあるものの、実際に導入・実施にあたっては初の試みであり、その実現が大いに注目されている。
さらに、熱を供給する側のシステム(パソコンなどのIT機器)は、外部と分離しているため、外部からのサイバー攻撃を受けない仕組みとなっており、過去にも実害を受けた例はない。
横浜市の先進的な総合エネルギー戦略の展開が、全国の自治体の1つのモデルとなり、地球温暖化による日本のCO2の削減に大きく貢献していくことに期待したい。
◎取材協力
- 横浜市 温暖化対策統括本部 プロジェクト推進課長 岡崎 修司 氏
- 東京都市サービス株式会社 トータルエネルギーサービス事業部 ソリューション部 ソリューション営業グループリーダー 石澤 正太 氏
- 東京電力エナジーパートナー株式会社 E&G事業本部 南関東本部 ソリューショングループ 課長 高橋 和也 氏
- 東京電力エナジーパートナー株式会社 E&G事業本部 ソリューション技術企画グループ マネージャー 勝部 安彦 氏
- 東京電力エナジーパートナー株式会社 E&G事業本部 ソリューション技術企画グループ 里中 健司 氏