国内初となるカルコパイライト太陽電池の販売店設置、日産

丸みのある場所などの設置場所や活用範囲を検証

インプレスSmartGridニューズレター編集部

12月8日 19:32

カルコパイライトを自動車販売店に設置

 日産自動車株式会社(以下、日産自動車)は、シリコンに代わる次世代太陽電池の1つとして注目されているカルコパイライト太陽電池の実証実験を進めている(写真1)。カルコパイライト太陽電池を日産神奈川販売株式会社の自動車販売店であるR1東戸塚店(横浜市戸塚区)に設置し、2025年10月16日から2026年2月9日の期間で実施する。自動車販売店への設置は、国内初だという。2025年12月4日に発表した。

写真1 実証場所である日産神奈川販売株式会社のR1東戸塚店の外観

設置場所や活用範囲を検証

 カルコパイライト太陽電池は、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)といった元素を組み合わせた化合物半導体を利用する太陽電池。薄く、軽く、曲げられるという特性を備え、従来のシリコン系太陽電池では難しかったガラス面や曲面に設置ができる。

 今回の実証では、厚さ約0.6mm、重量0.7kg/㎡のカルコパイライト太陽電池を、店舗のガラス面や建物の出入口などに設けられる、ひさし(キャノピー)の円柱部分などに設置する(写真2)。カルコパイライト太陽電池を丸みのある帯形状に設置するのは神奈川県内で初の試みだという。発電した電力は、店内ディスプレイの発電量表示や自動販売機の使用電力、スマートフォン充電器などに利用する。

写真2 実証では、県内で初めて丸みのあるキャノピー柱に設置する

 株式会社PXP製のカルコパイライト太陽電池を利用する。

 R1東戸塚店では、実質再生可能エネルギー100%注1サービス「日産でんき」の法人向け高圧電力や自家発電を活用し、電力100%カーボンニュートラル店舗として運営している。

 今回の実証では、同店で、太陽電池の設置場所や活用範囲を検証するとともに、来店客にスマートフォン充電器などを貸し出すなどして、来店者が発電電力を体感できる環境を整備する。将来的には、環境配慮型店舗の導入につなげ、顧客に次世代型太陽電池の先進性と日産の環境への取組みを伝えていきたい意向だ。


注1:実質再生可能エネルギー100%:火力などで発電された電気に再エネ指定の非化石証書を付加することにより、実質的に再生可能エネルギー100%であるとみなすこと。

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