イタリアTesla Owners Club Italiaは2017年8月4日、電気自動車による連続走行距離の世界新記録を樹立したと発表した。満充電状態から走行を始め、途中で充電することなく走り続けたところ、29時間かけて1078km走行できたという。それまでの世界記録がベルギーの団体が樹立した901.2kmだったため、新たな世界新記録となった。
今回の挑戦に使用した車両はTeslaの「Model S 100D」。Teslaの公式Webページによると、蓄電容量が100kWhの蓄電池を搭載し、1回の充電でおよそ632kmの連続走行が可能ということになっている。ちなみにベルギーで902.1kmの記録を樹立したときの車両は同じくTeslaの「Model S P100D」を使用していた。蓄電池の蓄電容量は同じだが、Model S 100Dに比べると高性能なモーターを搭載しており、Teslaは公式Webページで連続走行距離を約613kmとしている。
図 今回の新記録樹立に使用した「Tesla Model S」
出所 Tesla
今回はイタリア南部のサレルノを南北に走る平坦な道路を折り返しながら走り続けた。余分な電力消費を抑えるためにエアコンは使用せず、平均時速40kmで走行を続けた。そして、Teslaの半自動運転機能「Autopilot」を利用した。挑戦したドライバーによると「車線中央の位置を自動的に維持しながら、正確に時速40kmで走り続けてくれた」という。
図 今回走行したコース
出所 Tesla Owners Club Italia
Tesla Owners Club Italiaによると、今回の挑戦では98.4kWhの電力を消費したという。そして、電力を95%の効率で動力に変換することができたとしている。98.4kWhという電力は、今回使用した車両で考えると、8リットルのガソリン消費に相当するという。ガソリン車の変換効率はだいたい30%程度だ。現在、普及価格帯で比較的長い距離を走れる電気自動車が登場し始めているが、使ってみるとメーカー公称値よりも案外長い距離を走行できるのかもしれない。