AIで電力・ガス使用量を可視化し改善提案、アスエネ
エネルギーマネジメントサービス「NZero」を日本・タイで開始13:56
エネルギーデータを収集・可視化し設備の運用改善を提案
CO2排出量算定サービスを提供するアスエネ株式会社(以下、アスエネ)は、同社子会社である米NZeroのエネルギーマネジメントサービス「NZero」を日本とタイで開始した。工場やオフィスのエネルギーデータを収集・可視化するとともに運用改善を提案し、特にデータセンターや製造業といった電力使用量が大きい産業で、エネルギーコストの削減と二酸化炭素(CO₂)排出量の削減につなげるという(図1)。2025年12月4日に発表した。
投資収益・CO2排出量にもとづき改修優先度を提示
NZeroは、外部のエネルギーソースと連携して、各拠点における電力やガスなどのエネルギー使用量を30分単位で取得する。その際に、不足しているデータをAI技術が時刻、天候、曜日のパターンを利用して補完する。
収集したデータは、1時間単位で確認できる。また、AI技術が時間帯ごとのエネルギー使用状況を解析し、電力負荷の傾向や異常を抽出する。自然言語でデータに関する質問や指示できるAIアシスタント機能や、GRESB注1やGRI注2といった国際的なガイドラインに沿ってレポートを作成する機能を搭載している(図2)。
工場やオフィス単位での運用改善案や、設備を最適化するためのシミュレーションを生成する。具体的には、太陽光、断熱材、空調設備などの改修を組み合わせて複数のシナリオを作成し、それらを投資収益率、年間節約額、CO2排出量削減効果に基づいて評価して設備改修の優先度を提示する(図3)。
IoTとの連携に対応するほか、アスエネのCO2排出量算定サービス「ASUENE」と連携することで、企業全体のCO2排出量管理やカーボンフットプリント(CFP)算定にも対応する。
米国では、州政府や公共施設などの採用実績があるという。
注1:GRESB(Global Real Estate Sustainability Benchmark):不動産、インフラ企業やファンドの環境・社会・ガバナンス(ESG)への取り組みを評価する国際的なベンチマーク(指標)およびその運営組織。
注2:GRI(Global Reporting Initiative):企業、政府、その他の組織がサステナビリティに関する報告(非財務情報開示)のための国際的な基準(GRIスタンダード)を策定・提供する国際的な非営利団体。