物流Scope3の実測値を公開、平田運輸が算定

自社排出原単位1.79で業界平均の半分以下に抑制

インプレスSmartGridニューズレター編集部

2026年1月15日 (木曜) 11:16

GHG算定対象をScope3に拡大

 道路貨物輸送を手掛ける平田運輸株式会社(以下、平田運輸)は、温室効果ガス(GHG)排出量の算定対象を、Scope1、Scope2から、Scope3のカテゴリー1(購入した製品・サービス)〜カテゴリー8(上流リース資産)にまで拡大した。算定結果によると、環境省の「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関するデータベース」に示された道路貨物輸送業の標準値である3.93tCO₂/百万円に対し、同社の企業別GHG排出原単位は1.79tCO₂/百万円だった。物流事業者が一次データ注1を公開することで、荷主企業のサプライチェーン排出量算定の精度向上につなげるという。2026年1月15日に発表した。

図1 平田運輸が公開した算定結果。Scope1、Scope2を物量ベースで、Scope3(上流)を会計ベースで算定した

算定範囲をScope3の全15カテゴリへ拡大予定

 平田運輸は、今回の算定結果を、輸送と資源リサイクルを組み合わせた同社の「エコジスティクスプロジェクト」の参画企業に提供する。

 同プロジェクトでは、往路で製品を配送した後、その復路で荷主先から発生する金属スクラップや廃プラスチックなどの再生可能資源物を回収する。帰り荷を確保することで、トラックの稼働率および実車率を向上させ、走行距離あたりの排出量を抑制しているとする。同プロジェクトは、「令和7年度(2025年度)気候変動アクション環境大臣表彰(先進導入・積極実践部門 緩和分野)」に選出されている。

 参画企業に対し、輸送で削減したCO2排出量のレポートを提供したり、資源物の取り扱い量に応じたカーボン・クレジットを付与したりしており、荷主側は、物流会社から提供される具体的な数値を自社の環境報告書やScope3算定に直接反映できるという。

 今後、同社は、算定範囲をScope3の全15カテゴリへ拡大することを目指す。また、算定結果の信頼性を担保するため、第三者検証の取得も検討していく方針だ。

 平田運輸によると、企業の脱炭素経営において、自社以外の排出量を含むScope3の把握が求められているが、物流セクターでは中小事業者が多いことや算定の複雑さから、実測データの提供が課題になっている。


注1:一次データ:自社またはサプライチェーン上の活動から直接取得した実測データ。

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