廃棄物焼却の廃熱利用者の排出係数「ゼロ」に、環境省・経産省が省令改正
2026年4月施行、廃棄物処理事業者のみに算定義務2026年1月22日 (木曜) 11:19
廃棄物焼却時の廃熱で作られた蒸気・温水・冷水利用の排出係数をゼロに
環境省と経済産業省は、廃棄物焼却時の廃熱で作られた蒸気や温水、冷水注1を利用した際の排出係数注2をゼロとする省令改正注3を2026年1月21日に公布した。2026年4月1日に施行する。これにより、従来、制度上の帰属が不明確で、廃熱の利用者にも割り振られていたCO2(二酸化炭素)排出量の算定義務を販売側に集約する。
排出量の算定責任を廃棄物処理側へ集約
今回の改正は、「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度(SHK制度)」の課題を解決するのが目的である。従来のSHK制度では、廃棄物焼却施設から発生した廃熱を他者から購入して使用する場合、それを販売する廃棄物処理側が燃焼時のCO2排出量を全量計上する一方で、購入者側も利用に伴う排出量を算定するルールとなっており、排出量が「二重計上」される構造となっていた。
実際には、国はこれまで、こうした未利用エネルギー供給に伴う排出係数のあり方を検討事項としていた。そのため、廃棄物処理側と利用者側のどちらが算定すべきか、最終的な方針が定まっていなかった(図1)。
今回の改正では、廃棄物焼却に伴う廃熱を回収して作られた蒸気、温水、冷水の利用について、購入者側の係数をゼロとした。2026年4月1日の改正省令施行後は、排出量の算定責任を廃棄物処理側へ集約する。購入者側は排出量を算定・計上する必要がなくなる。
注1:冷水:廃棄物を焼却して発生した蒸気や温水は、冷房用の冷水などを作る「吸収式冷凍機」のエネルギー源として利用されている。同設備は、水が蒸発する際の気化熱を利用して冷却するもので、地域冷暖房、ビルや工場の空調に利用されている。
注2:排出係数: 活動量あたりの温室効果ガス排出量を表す数値。
注3:省令改正:「地球温暖化対策の推進に関する法律施行令」第7条第1項第1号イ(4)等の規定に基づき、環境省・経済産業省令である「特定排出者の事業活動に伴う温室効果ガスの排出量の算定に関する省令」の一部を改正した