2015年8月19日、積水化学工業株式会社 住宅カンパニー(プレジデント:関口俊一)は、2015年8月27日から、「V to Heimシリーズ」についてプラグインハイブリッド自動車(以下:PHEV)との連系の対応を開始することを発表した。※1住宅とPHEVと電力系統の連系を実現したのは、同社では初となる。
同社では、住宅におけるエネルギー自給自足率の向上やエネルギー収支の改善をスマートハウスの指標として、商品開発と供給に注力してきている。2014年以降、住宅の「エネルギー自給自足」を可能とするための革新技術として、電気自動車(以下:EV)と系統連系し、住宅と車の間で電力のやりとりを可能にする「V2H(Vehicle to Home)システム」を搭載した「V to Heimシリーズ」を鉄骨系・木質系の全商品に展開している。
今回、PHEVとの電力系統連系が可能となったことで、雨天で太陽光発電(PV)が発電できない日が続くような、長期的な停電時においても、安心をさらに向上させることができ、より安全な暮らしを提供することが可能となった。
また、これまでEVに限定されていた「V to Heimシリーズ」がPHEVへも広がることにより、顧客の選択肢を広げ、今後の「エネルギー自給自足住宅」※2をさらに促進していくものとする。同社では今後、自動車メーカーとの協力を強め、さらにスマートハウス市場の拡大、リーディングカンパニーとして確固たる地位の確立を目指す。
◆「V to Heimシリーズ」対応車種拡大の概要
- 住宅とPHEVの連系が可能に
「V to Heimシリーズ」ではこれまで、三菱自動車工業(株)の「MiEVシリーズ(3車種)」と日産自動車(株)の「リーフ」を「V2Hシステム」の対象としていたが、今回、三菱自動車工業(株)「アウトランダーPHEV」との連系について、住宅と車および電力会社との安全評価や協議が終わり、系統連系が可能となった。
- 「停電時の安心」がさらに向上
「V to Heimシリーズ」は、業界ではじめて、災害などによる停電時にPVの電力をEVに充電可能とした。さらにPHEVの場合は、雨天などでPVが発電できない日が続く停電時でも、エンジンでの発電を組み合わせ、暮らしに必要な電力を最大10日分※3賄うことができる※4。大容量PVと、PHEVを最大限活用することにより、長期間の停電でもほぼ日常並みの暮らしを送ることができ、ユーザーにより安心・安全な暮らしを提供することが可能となる。
- 「経済性」と「環境性」を重視した暮らしを実現
PHEVとの電力系統連系が可能となったことで、これまでEVに限定されていた「V to Heimシリーズ」が、PHEVにも拡充したことにより、顧客の選択肢が広がり、経済性・環境性を重視した暮らしを選択することが可能となった。「アウトランダーPHEV」の場合、光熱費と自動車燃料費を合わせて合計約64万円/年の家計支出削減効果が見込める(一般住宅との比較)。さらに、住宅と車が排出するCO2も大幅に削減。CO2排出量をゼロ以下(計算上)にすることも可能になり、経済的で環境に配慮した暮らしを実現できる。
※1 対応する車種は、三菱自動車工業(株)の「アウトランダーPHEV」。PHEVは、電気とガソリンの2つのエネルギー源で走行するため、ユーザーは遠出の場合でも走行距離を気にすることなく、もし電気が無くなりガソリンを使うことになっても、優れたハイブリッド走行によって経済的な走りを続けることが出来る。
※2 自分の家で発電した電力を可能な限り、売電するのではなく自分の家で使用する住まい。
※3 使用可能日数は、ガソリン満タン(45L)の状態で、一般家庭での一日当りの電力使用量を約10kWh/日として算出。
※4 エンジンでの発電はEV用パワーコンディショナと一旦切り離すことが必要
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積水化学工業