溶解炉1台が排出するCO2全量を分離・回収、アイシンが実証

インプレスSmartGridニューズレター編集部

2026年5月18日 (月曜) 19:07

溶解炉1台が排出するCO2を分離・回収する実証

 株式会社アイシン(以下、アイシン)は、溶解炉1台から排出される二酸化炭素(CO2)の全量を分離・回収するための装置を開発し、実証実験を同社西尾ダイカスト工場(愛知県西尾市)で開始した(図1)。同装置で1日あたり3トンのCO2を回収して再利用し、資源を循環させるのが狙い。2026年5月18日に発表した。

図1 西尾ダイカスト工場に設置されたCO2分離・回収装置の外観

出所 株式会社アイシン トピックス 2026年5月18日、「アイシン、資源循環システムの実証規模拡大」

化学吸収方式で回収したCO2をメタン燃料・コンクリート原料に再利用

 アイシンが開発した装置は、吸収液を用いた化学吸収方式により、CO2を分離・回収する。溶解炉から発生した排ガス中のCO2を「吸収塔」で吸収液に取り込み、続く「放散塔」で高純度のCO2として回収する。回収したCO2は、メタン燃料やコンクリート原料などに再利用する(図2)。

図2 資源循環のフローと今回の実証範囲

出所 株式会社アイシン トピックス 2026年5月18日、「アイシン、資源循環システムの実証規模拡大」

 独自に設計した回収機構と、その機構に最適化された吸収液を採用することで小型化した。また、溶解炉の排熱をCO2回収時に加熱源として活用する熱回収システムを併設し、装置の稼働に必要なエネルギーを削減するとしている。

 アイシンは、2023年から同装置の評価を進めてきた。初期段階では溶解炉1台から発生するCO2の約100分の1に相当する、1日あたり0.024トンの回収量を対象としていた。今回の実証実験はその次のステップに位置づけられ、対象を溶解炉1台全量にあたる1日あたり3トンへと拡大し、装置の性能を検証する。

 さらに、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に採択された「バイオマス発電の排熱を利用したCO2回収の高効率化と高純度グリーンCO2の生成」事業を通じ、多様なCO2排出源や活用先を見据え、同技術の開発と実証を進める。


参考サイト

株式会社アイシン トピックス 2026年5月18日、「アイシン、資源循環システムの実証規模拡大」

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