NECは2017年4月10日、工場の製造設備や医療機器の制御などに向けたコンピューター「FC-PMシリーズ」の新製品を発表した。工場などの劣悪な環境で24時間連続稼動させるために、高品質で長寿命な部品を採用し、冷却効率を最大限発揮するように部品を配置した。この設計により、5℃〜40℃の環境で24時間連続稼動が可能になっている。また、製品の製造終了後、最大で10年間修理保守を受け付ける。変わらない環境で動き続けることを最重要視する、工場の制御機器などで使用することを第一に考えたコンピュータだ。
図 NECが新たに発売する「FC-PMシリーズ」
出所 NEC
新製品ではOSとして、Windows 7 Professional for Embedded Systems(32ビット/64ビット)に加えて、Windows 10 IoT Enterprise 2016 LTSB(64ビット)を用意する。WindowsのLTSB(Long Term Service Branch)版は、Windows Updateで自動的に機能が加わっていく一般的なWindowsとは異なり、機能が自動的に加わることはない。この点も、変わらない環境で動き続けることを重視した選択と言えるだろう。また、LTSB版には、キーボード入力を無効にする機能や、事前に指定していないUSB機器の接続を禁じる機能など、利用者の誤操作を防ぐ機能を備えている。誤操作が事故につながりかねない産業用機器や医療機器の制御に向く機能と言える。
製品は搭載プロセサが異なる2種類を用意する。Xeon E3-1225 v5(3.3GHz〜3.7GHz、8Mバイト3次キャッシュ)を搭載する「FC-P33X」の価格は27万1000円から(税別:以下同様)。Celeron G3900(2.8GHz、2Mバイト3次キャッシュ)を搭載する「FC-P28X」の価格は22万8000円から。
NECは小型の工場向けコンピュータ「FC-E23W」「FC-E27B」「FC-E22U」のWindows 10 IoT Enterprise 2016 LTSBプリインストールモデルを5月に発売することを予告している。さらに、パネルコンピュータ「T5WA」「T5BA」は6月にWindows 10 IoT Enterprise 2016 LTSBプリインストールモデルを発売する。
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