ペロブスカイト部材の世界市場は40年に1.4兆円超へ、富士経済が予測

30年に本格成長し、バリアフィルムとTCO基板が牽引

インプレスSmartGridニューズレター編集部

2026年2月12日 (木曜) 8:00

ペロブスカイト部材市場は2030年以降に本格的成長

 2040年にペロブスカイト太陽電池の主要部材であるバリアフィルムの世界市場規模が8877億円、TCO基板が5642億円に成長する。こうした予測を株式会社富士経済(以下、富士経済)が、2026年1月22日に発表した。市場は2025年以降に立ち上がり、2030年以降に本格的な成長期に入ると見込む。

図1 ペロブスカイト太陽電池・主要部材の世界市場規模予測

出所 株式会社富士経済 プレスリリース 2026年1月22日、「ペロブスカイト太陽電池の主要部材市場を調査」

高単価なバリアフィルム、TCO基板が市場を牽引

 富士経済の調査報告書「ペロブスカイト太陽電池の主要部材・材料の市場とサプライチェーン動向」では、ペロブスカイト太陽電池の主要部材・材料に関する世界の市場動向や参入企業の開発動向、課題などを分析し、まとめている。調査対象は、バリアフィルム、TCO基板、ペロブスカイト材、電子輸送材、正孔輸送材、背面電極材、封止材という7つの部材。

 同書によると、調査対象とした主要7部材の中で、単価の高いバリアフィルムやTCO基板が市場の成長を牽引する。一方、将来的なコストダウンに伴い、金額ベースの成長は数量ベースに比べて緩やかになると分析している。

 バリアフィルムは、高い防水・防湿性能を持つ保護フィルム。フィルム基板型ペロブスカイト太陽電池で、湿気や酸素の侵入を防止するために使用されている。

 一般的に層を重ねるほど防水・防湿性が高まるが、それと比例してコストが増大する。そのため、材料や構成・製造方法などの最適化が必要とされる。将来的には、需要の高まりに応じ、現状の半額程度まで価格が下がると予測される。

 TCO基板(透明導電膜付き基板)は、ガラスやフィルム上にFTO(フッ素ドープ酸化スズ)膜注1やITO(酸化インジウムスズ)膜注2などをコーティングした基板。光が入射する面の電極として機能する。

 ITOの原材料であるインジウムは希少金属の一種であり、ディスプレイや半導体アプリケーションの需要増もあって高値が続いている。供給安定性への懸念から代替材料の研究が進んでおり、こうした技術革新がTCO基板全体のコスト低減に寄与するとみている。


注1:FTO(フッ素ドープ酸化スズ)膜: 主にガラス基板上に用いられる透明導電膜。導電性、透光性、耐熱性に優れている。
注2:ITO(酸化インジウムスズ)膜: 高い導電性と透明性を持ち、液晶ディスプレイなどの透明電極として使用されている。原料のインジウムが希少金属であるため高価。

参考サイト

株式会社富士経済 プレスリリース 2026年1月22日、「ペロブスカイト太陽電池の主要部材市場を調査」

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