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廃プラスチックから得る水素で稼働する燃料電池、川崎市のホテルで稼働開始

2018/05/30
(水)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

東芝エネルギーシステムズは、昭和電工から受注した純水素型燃料電池「H2Rex」を川崎市の「川崎キングスカイフロント東急REIホテル」に納入し、6月1日から稼働を始めると発表した。

東芝エネルギーシステムズは2018年5月30日、昭和電工から受注した純水素型燃料電池「H2Rex」を川崎市の「川崎キングスカイフロント東急REIホテル」に納入し、6月1日から稼働を始めると発表した。また昭和電工は、同社の川崎事業所で廃プラスチックから精製する水素をこのホテルに供給すると発表した。東芝は2017年6月に、このホテル向けの純水素型燃料電池を受注したと発表している(参考記事)。

図 川崎キングスカイフロント東急REIホテルに設置した純水素型燃料電池「H2Rex」(写真右下)

図 川崎キングスカイフロント東急REIホテルに設置した純水素型燃料電池「H2Rex」(写真右下)

出所 東芝エネルギーシステムズ

昭和電工は、廃プラスチックからアンモニアを精製する手法を2003年から導入している。今回はこの手法を応用して廃プラスチックから水素を精製して、ホテルに供給する。水素を精製する過程でCO2が発生するが、これはドライアイスの形にして利用することで、資源をなるべく有効活用するよう工夫している。

東芝エネルギーシステムズが納入したH2Rexは出力が100kWで、発電した電力はホテルの照明などに利用する。また、発電時に発生する熱を利用して熱湯を作り、客室の給湯設備に供給する。H2Rexは純粋な水素で発電するため、稼働時にCO2を発生させることがない。また、稼働開始から5分弱という短い時間で発電を開始する。

今回の東芝エネルギーシステムズと昭和電工の取り組みは 環境省の「平成27年度地域連携・低炭素水素技術実証事業」の採択を受けて実施している。また、川崎市の「川崎エコタウン事業」の1つでもある。


■リンク
東芝エネルギーシステムズ
昭和電工

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