トリナ・ソーラー・ジャパンは2016年10月20日、中国にある本社の研究室が多結晶p型シリコンの太陽電池モジュールとしては世界最高となる変換効率19.86%を達成したと発表した。ドイツのフラウンホーファー研究機構(Fraunhofer ISE CalLab)が検証した値だとしている。これまでの世界記録は2015年4月の19.14%。1年半の間に変換効率を0.72ポイント向上させたことになる。
記録を達成したモジュールは太陽電池セル120枚を組み込んだもので、モジュール面積は1.514m2。裏面パッシベーション(PERC:Passivated Emitter and Rear Cell)技術や高効率光閉じ込め技術などを駆使して達成したとしている。
トリナ・ソーラーの副社長で主任研究員のピエール・ヴェルリンデン博士は、太陽電池モジュールの変換効率は均等化発電原価(LCOE:発電所の設計、建設から運用、廃止までにかかったすべての支出を、生涯発電量で除算した値)を推定する上で重要な指標であるとし、今後も変換効率の向上とシステムコスト低減のために開発に取り組んでいくとしている。
今後技術改良が進めば、比較的安価に製造できる多結晶p型シリコンのモジュールでも、変換効率20%を超えるモジュールが市場に出る可能性が高まると言えるだろう。
図 トリナ・ソーラー・ジャパンが販売する太陽電池モジュール「Honey」。市販しているこの品の変換効率は16.5%だ
出所 トリナ・ソーラー・ジャパン
■リンク
トリナ・ソーラー・ジャパン