全固体電池の大型実証プラントを建設
出光興産株式会社(以下、出光興産)は、全固体電池(全固体リチウムイオン二次電池)の材料となる固体電解質を製造するための大型実証プラントの建設を、千葉県市原市の同社千葉事業所内で開始した(図1)。2027年中に完工する予定で、年間数百トン規模の生産を見込む。同プラントで製造する固体電解質は、トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)が開発するBEV(電気自動車)向け全固体電池に使用される予定。2026年1月29日に発表した。
図1 出光興産が建設を開始した大型実証プラントのイメージ。青枠が該当装置。
2027~2028年に全固体電池をBEV搭載へ
全固体電池は、固体の電解質を使用する電池。イオンが移動しやすく、BEVの充電時間短縮や高出力化につながるという。出光興産は、石油製品の製造過程で副次的に発生する硫黄成分を原料とした固体電解質の研究開発に取り組んでいる(写真1)。
写真1 固体電解質。
2021年と2022年に小型実証プラントを稼働し、固体電解質の量産技術開発とサンプルの製造を進めてきた。このうち、第1プラントでは主にトヨタ向けの固体電解質を、第2プラントでは異なる種類の固体電解質を開発している。トヨタとは、2027~2028年に全固体電池をBEVに搭載する計画。
今回、第1プラントの実証結果を踏まえ、事業化のフェーズに進むため、大型実証プラント建設を決定した。建設工事は千代田化工建設株式会社に発注した。
同社による固体電解質の量産化に向けた技術開発は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業/次世代蓄電池・次世代モーターの開発」の1つとして採択されている。
また、固体電解質の中間原料である硫化リチウムの大型製造装置の建設も順調に進めており、2027年6月に完工予定だという。