苫小牧でLNG火力発電所とLNG基地の建設を検討
北海道電力株式会社(以下、北海道電力)は、北海道苫小牧地域に液化天然ガス(LNG)火力発電所とLNG基地を建設する検討を開始した(図1)。2035年度の運転開始を目指す。石油・石炭からの事業転換を進めるとともに、北海道で計画が進む次世代半導体工場や大型データセンターなどによる電力需要に応えるのが目的。2026年1月30日に発表した。
図1 北海道苫小牧地域のLNG火力発電所とLNG基地の建設予定地
運転開始10年後に水素・アンモニアへ転換
北海道電力の計画では、LNG火力発電所を苫小牧東部開発地域に建設し、2035年度までに運転を開始する。脱炭素を見据えたトランジション(移行期)電源と位置付けており、運転開始後10年を目処に使用燃料をLNGから水素・アンモニアなどの脱炭素燃料に切り替える。再生可能エネルギーの導入拡大に伴う、電力系統の調整力としても活用する。
これに合わせて、大型外航船の受け入れに対応するLNG基地も建設する。基地には、地上式の大型LNGタンクや外航船受入設備、気化設備、出荷設備などを整備する。
苫小牧の拠点と石狩LNG基地の連携やタンクローリーや内航船などを活用した供給体制により、北海道全域へのガス供給体制の構築を目指す。
同社は、ガス事業を従来のガス小売から拡大する予定であり、今回の発電事業とガス事業を組み合わせることで、安定的かつ価格競争力のあるガスの供給につなげるとする。2025年12月3日には、石油資源開発株式会社と、同社の道内におけるガス製造事業、販売事業、導管事業を譲受するための契約を締結した。
苫小牧地域では、水素やアンモニア、e-メタン注1、CCUS注2の事業化を進めており、将来的には、苫小牧地域を起点としたエネルギーサプライチェーンを構築する構想だ。
注1:e-メタン:水素と二酸化炭素(CO2)を合成して作るメタンガス。燃焼しても排出されるCO2が回収分で相殺されるため、カーボンニュートラルな燃料とされる。
注2:CCUS:Carbon dioxide Capture, Utilization and Storageの略。CO2を回収し、有効利用したり地下に貯蔵したりする技術。
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