グリーン水素製造の基幹部品を国内最大規模で量産へ、東京ガスとSCREEN
水電解用触媒層付き電解質膜「PEXEM」の量産体制を構築12月10日 16:58
水電解用触媒層付き電解質膜を量産化
東京ガス株式会社(以下、東京ガス)と株式会社SCREENホールディングス(以下、SCREEN)は、グリーン水素の製造に利用される水電解装置の中核部品である触媒層付き電解質膜(CCM)「PEXEM」の量産体制を構築した(写真1)。年産2GW相当の生産能力で供給し、国内最大級だという。SCREENが製造、東京ガスが販売を担い、エネルギー企業による水電解用CCM販売は世界初となる。2025年12月9日に発表した。
写真1 5000cm²の水電解用触媒層付き電解質膜「PEXEM」
国内最大規模の2GW相当を生産
水電解用CCMは、触媒が付いた薄い膜で、水を電気分解してグリーン水素を製造する水電解装置で水素発生を担う基幹部品である。
今回、東京ガスとSCREENは、PEM(プロトン交換膜:Proton Exchange Membrane)形水電解用CCMの量産体制を構築した(写真2)。最大電極面積5000cm²という大面積の水電解用CCMを、国内最大規模という年間2GW相当の生産能力で供給できるという。
写真2 水電解用CCMの量産設備
両社は、2021年5月から、東京ガスが燃料電池開発で蓄積してきた触媒技術と評価技術、SCREENが保有するロールtoロール方式による連続生産技術を組み合わせ、水電解用CCMの共同開発を進めてきた。
2025年2月には、SCREENが、自社彦根事業所の敷地内に水素関連事業の部材製造スペースなどを備えた工場を建設し、同工場内に水電解用CCMの量産設備の導入を進めてきた。そのために経済産業省「GXサプライチェーン構築支援事業」および国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援を受けた。
今後、需要拡大に応じて、同工場の生産能力を最大年産6 GWまで拡張する計画である。