関西でグリーン水素の大規模輸送網を構築へ、関西電力など12社が連携

インプレスSmartGridニューズレター編集部

2026年3月13日 (金曜) 16:30

水素サプライチェーン構築へ12社が連携

 関西電力株式会社(以下、関西電力)、西日本旅客鉄道株式会社(以下、JR西日本)、日本貨物鉄道株式会社(以下、JR貨物)、NTT株式会社(以下、NTT)などの12社は2026年3月12日、国内の水素サプライチェーンモデルの構築に向け、共同調査・実証に関する基本合意書を締結した。関西エリアを中心に鉄道や通信などの既存インフラを活用し、水素の製造および貯蔵拠点を起点とした大規模で低コストかつ低炭素な水素輸送の確立を目指す。水素需要の創出と効率的なサプライチェーン構築につなげるのが狙い。2026年3月12日に発表した。

図1 関西エリアを中心としたグリーン水素の大規模輸送・利活用に向けた共同調査・実証の概要

出所 NTT株式会社 ニュースリリース 2026年3月12日、「関西エリアを中心としたグリーン水素の大規模輸送・利活用に向けた共同調査・実証に関する基本合意書の締結」

グリーン水素の大規模輸送・活用を実証

 今回の共同調査・実証では、12社が多角的なアプローチでグリーン水素注1のサプライチェーン構築を進める。

 インフラの有効活用という観点から、JR西日本は線路敷パイプラインの実証を行い、NTTおよびNTTアノードエナジー株式会社(以下、NTTアノードエナジー)が既存の地下空間を活用したパイプラインを検討する。

 水素の輸送手段の実証においては、陸上および海上を含めた幅広いネットワークの構築を計画している。JR貨物が鉄道による水素輸送の実証を担い、川崎車両株式会社(以下、川崎車両)が鉄道による液化水素コンテナの輸送実証を行う。また、日本通運株式会社(以下、日本通運)が水素コンテナの陸上輸送を、井本商運株式会社(以下、井本商運)が海上輸送の実証をそれぞれ担当する。

 輸送システムを技術的に支える設備として、北酸株式会社(以下、北酸)が圧縮水素コンテナを製作し、株式会社神戸製鋼所(以下、神戸製鋼)が液化水素コンテナの受入設備の検討を進める。

 さらに、輸送後の水素の利活用や、サプライチェーン全体を支える管理システムに関しても多角的に検証する。関西電力は鉄道による水素輸送の供給管理システムの実証などを担当し、川崎重工業株式会社(以下、川崎重工)は環境価値管理システムの実証および自社工場における水素利活用の調査を実施する。加えて、パナソニック株式会社(以下、パナソニック)は純水素型燃料電池(注2)を活用した水素利活用の実証を実施する。

 今後、12社は各分野での経験・知見をもとに、水素サプライチェーンの確立とゼロカーボン社会の実現に向けて取り組を進める。


注1:グリーン水素:太陽光や風力などの再生可能エネルギーを利用して水を電気分解することにより製造される水素のこと。製造過程で二酸化炭素(CO2)を排出しない。
注2:純水素型燃料電池:改質器を用いず、外部から直接供給された水素と空気中の酸素を化学反応させることで発電および発熱を行うシステム。

参考サイト

NTT株式会社 ニュースリリース 2026年3月12日、「関西エリアを中心としたグリーン水素の大規模輸送・利活用に向けた共同調査・実証に関する基本合意書の締結」

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