2016年8月10日、大日本印刷株式会社(以下:DNP、東京都新宿区 代表取締役社長:北島 義俊)は、オランダのGemalto N.V.(以下:ジェムアルト、オランダ・アムステルダム、CEO:Olivier Piou)と、IoTのセキュリティ分野で協業することを発表した。
DNPは1980年代から、ICカードのソフトウエア開発や製造・発行および認証サービスなどを手がけており、国内のキャッシュカードやクレジットカード、携帯電話のSIM(Subscriber Identity Module)カードなどで高いシェアを持っている。これらの実績を通じて培った技術やノウハウを活かし、高セキュリティなIoT環境を実現するゲートウエー端末や関連するアプリケーションなどの開発を進めている。
また、ジェムアルトは、金融、政府系、モバイル、交通、M2M(機器間通信)などの幅広い分野において、信頼性と利便性を備えたデジタルセキュリティソリューションを、世界各国の企業や政府とそのユーザーに向けて展開している。
DNPとジェムアルトは、IoTのセキュリティ分野での協業にあたり、ICカード技術をIoT向けに活用したセキュアなIoTプラットフォームを開発する。
同プラットフォームでは、IoT用のデバイスとサーバー間の通信において、インターネットで標準的に利用されているプロトコルであるTLS(Transport Layer Security)※1を用いている。TLSの相互認証に用いる暗号鍵やデジタル証明書を、耐タンパ性の高いSAM(Secure Application Module)※2に格納することで、不正アクセスや改ざんを防止し、より安全にデバイスとサーバー間の相互認証を行うことが可能になる。また、暗号鍵やデジタル証明書、アプリケーション等をセキュアに配信するサービスも行う。同プラットフォームにより、IoT用のデバイスと通信のセキュリティを向上させ、より安心・安全なIoTのエコシステムを実現することが可能となる。
図 プラットフォームイメージ
今後、両社は、国内外で本プラットフォームを用いた実証実験、標準化活動、および営業活動などを共同で推進していく。
※1 TLS(Transport Layer Security):インターネット上でデータを暗号化して送受信できるトランスポート層のプロトコル。
※2 SAM(Secure Application Module):セキュアICチップに、データ暗号化、認証、機密情報保護等のセキュリティ関連のアプリケーションを搭載したモジュール。
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