このコーナーでは、最新のICT(情報通信技術)のキーワードをQ&A形式でわかりやすく解説していきます。
ブロードバンド時代の急速な進展を背景に、通信と放送の融合が注目され、本格的な画像コミュニケーション時代が到来しています。このような時代の要請に対応して、新しい「H.264/AVC」という画像圧縮技術が標準化され、国際的な注目を集めています。今回は、アナログ画像とデジタル画像の性質について解説します。


Q6:ハイビジョンでも使われる「色差信号」とは?
光の3つの色信号「R,G,B」と色差信号「Y,Cb,Cr」の違いを説明してください。
≪1≫アナログ画像とデジタル画像の性質
最初に本コーナーで扱う画像(映像)について、アナログ画像とデジタル画像の性質を整理しておきましょう。
[1]光の3つの色信号「R,G,B」
一般の自然画像は、アナログ画像であり、アナログのビデオ・カメラで撮った画像は連続したアナログ情報となっています。しかし、ハンディカムのようなデジタル・カメラの場合、カメラで写したアナログ画像(信号)はカメラ内部でデジタル処理されるため、カメラからはデジタル信号が出力されます。通常、デジタル・カメラからのデジタル画像は、軽くしか圧縮されていませんので、デジタル信号はほぼアナログ信号と等価になっています。
このとき、カメラが写す被写体の「色」は、被写体に含まれている多くの光の波長成分(長い波長や短い波長)の混ざり具合(スペクトラム)で、実際の色になっています。すなわち、光に含まれる波長成分の違いが色として認識される、ということになります。
また、どんな色でも、光の3原色「R(Red:赤),G(Green:緑),B(Blue:青)」を混ぜ合わせて実現できることがわかっています。したがって、カラー・テレビのアナログ信号はこの光の3原色成分の大きさを表す3つの色信号(R,G,B)で構成されます〔R,G,Bの各色信号は8ビット(0~255)で表現される〕。ちなみに白黒テレビの場合は、明るさを表す1つの信号(輝度信号)のみで構成されています。
このようなR,G,B信号の場合、R,G,Bの信号を扱うためにそれぞれに4MHzの帯域が必要となるため、カラー・テレビ信号は12MHz(=4MHz×3)の帯域を必要とします。
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