[特集]

Q&Aで学ぶH.264/AVC(4):情報をデジタル化する仕組みは?

2008/03/04
(火)
大久保 榮

このコーナーでは、最新のICT(情報通信技術)のキーワードをQ&A形式でわかりやすく解説していきます。
ブロードバンド時代の急速な進展を背景に、通信と放送の融合が注目され、本格的な画像コミュニケーション時代が到来しています。このような時代の要請に対応して、新しい「H.264/AVC」という画像圧縮技術が標準化され、国際的な注目を集めています。今回は、情報をデジタル化する仕組みについて解説します。

Q&Aで学ぶ基礎技術:最新の情報圧縮技術:H.264/AVC編(2)
Q4

Q4:情報をデジタル化する仕組みは?

アナログ情報である音声情報や画像情報は、どのようにデジタル化されるのか、また圧縮とどのように関係するのか、その仕組みをわかりやすく説明してください。

A4

≪1≫アナログ信号をデジタル信号に変換する仕組み

現在の圧縮技術は、デジタル処理によって圧縮を行っています。このため、まず元の情報がデジタル表現になっていることが出発点となります。音声や画像情報は、マイクロフォンあるいはビデオ・カメラ(ここではアナログ・ビデオ・カメラ)から出力されます。これらの機器は、通常、音や情景を電気信号に変換しますが、原理上、その結果はアナログ信号の形を取ります。

図1-4に示すように、アナログ信号をデジタル信号に変換する場合は、基本的に、
[1]標本化(Sampling):アナログ情報から一定の時間間隔で標本(サンプル)を取り出す
[2]量子化(Quantization):標本化された情報を決められた整数レベル(デジタル・レベル)に整える
[3]符号化(Encoding):量子化された信号をデジタル値にする(例:0110)

の3つのステップが必要とされます。


図1-4 アナログ信号をデジタル信号にする仕組み(非圧縮)(クリックで拡大)

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