2013年9月号
今回は、いわゆる電源ベストミックスについて考察する。風力や太陽光のような「変動する主力(となっていく)電源」は、ベース、ミドル、ピークのどこに位置づけられるのだろうか。これから普及していく日本と主力に育っている欧州(ドイツ)を比較する。
基本計画でシェアアップ確約も、位置づけは不明確
電力ベストミックスの決定が待たれて久しい。これがないと、民間設備投資は喚起されず、システム変更を伴うようなダイナミックなエネルギー変革が担保されないからだ。しかし、原発再稼働を巡る情勢が不透明であるとして、4月11日に閣議決定されたエネルギ-基本計画では数値を示せなかった。各電源の特徴と役割を整理し方向性にメリハリをつけるに終わった。そのなかでの焦点は、原発の再稼働容認と再エネの積極的な役割評価である。
再エネは、「直前の基本計画に織り込まれたシェアをさらに上回る」との表現が挿入された。すなわち、2020年に3.45%、2030年に21%を上回るというものである。この数値織り込みに関しては、政府から激しい抵抗があったようだ。与党合意では「大きく上回る」で決着していたが、これが無視される形となった。
基本計画で唯一掲載された図表には、24時間の需要量推移(ロードカーブ)、それを賄うために供給する電源について3つの分類(ベースロード、ミドル、ピーク)が示されている(資料1)。需要は変動するが、その変動に応じてミドルやピークの電源が稼働する。
