核融合の重要技術開発で米エネルギー省と提携、京都フュージョ

インプレスSmartGridニューズレター編集部

2026年2月2日 (月曜) 6:43

増殖ブランケット技術の開発で米エネルギー省とパートナーシップ

 京都大学発の核融合スタートアップである京都フュージョニアリング株式会社(以下、京都フュージョニアリング)は、米エネルギー省(以下、DOE)と核融合エネルギーの技術開発に向けた戦略的パートナーシップを締結した。米オークリッジ国立研究所(以下、ORNL)内に試験設備を建設し、核融合の重要技術とされる「増殖ブランケット」を共同開発する。2026年1月30日に発表した。

核融合時の中性子分布を再現し増殖ブランケットを検証

 増殖ブランケットは、核融合反応で生じる中性子を利用し、核融合で燃料となるトリチウムを増殖・回収すると同時に、熱エネルギーを抽出する装置。

 今回の締結に基づき、京都フュージョニアリングはORNLと連携し、増殖ブランケット技術の開発・高度化を目的としたプロジェクト「UNITY-3」を開始する。

 UNITY-3では、試験設備をORNL内の研究所内に建設し、実際の核融合反応で発生する中性子の分布を精密に再現した環境下で、増殖ブランケットの性能を検証する。これにより、
トリチウム増殖技術の確立を目指す。

 京都フュージョニアリングは、核融合プラント向けの統合システムを開発するため、「UNITY-1」「UNITY-2」という2つのプロジェクトを実施している。

 UNITY-1では、エネルギーの取り出しから発電などへの活用を視野に、核融合ブランケット・熱サイクルシステムを開発中である。直近では発電技術の実証試験を、京都府久御山町の自社研究施設で開始した。

 UNITY-2では、カナダ原子力研究所(CNL)とのジョイントベンチャーであるFusion Fuel Cycles Inc.を中心に、燃料を回収・供給するフュージョン燃料サイクルシステムの開発をカナダ・オンタリオ州で進めている。2026年内の運転開始に向け、施設の建設を進めている。

 これらのプロジェクトで蓄積したシステム技術統合の知見を、UNITY-3に活用する。

 米国エネルギー省の科学・イノベーション担当次官であるダリオ・ギル 氏は、「核融合技術は、エネルギーの未来にとって変革的な機会をもたらす。このパートナーシップは、重要なインフラを構築し、米国の競争力を強化し、フュージョンエネルギーの実現に向けて具体的で測定可能な進展を達成するために、信頼できる同盟国や民間企業と協力するというDOEのコミットメントを示すものだ」と強調する。

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