Silicon Laboratoriesは2016年12月12日(現地時間)、スマートコンセントと人感センサーのリファレンスデザインの供給を始めた。リファレンスデザインは回路図、レイアウト情報、部品リスト、ソフトウェアなどの形で供給する。要望があれば、リファレンスデザイン通りに組み立てた試用品を提供する。機器メーカーは、このリファレンスデザインを参考にして製品開発を進めることで、開発期間を短縮できる。スマートコンセントのリファレンスデザインの価格は119米ドルで、人感センサーのリファレンスデザインは49米ドル。
今回提供が始まったリファレンスデザインは、どちらもSilicon Laboratoriesの「EFR32MG Mighty Gecko」SoCを搭載している。ARMのCortex-M4プロセッサコアや2.4GHzの無線通信ブロックなどを統合したものだ。
SoCの上ではZigbee Home Automation 1.2規格に準拠したプロトコルスタックなどのプログラムが動作する。Silicon Laboratoriesの無線通信チップやプロトコルスタック、ソフトウェア開発ツールはZigbee Allianceから「Golden Unit」認証を受けているという。
また、Thread Groupが策定した無線通信プロトコル「Thread」にも対応可能になっており、ソフトウェアのアップデートでThreadに対応するという。Thread Groupは、Google傘下のNest社やSamsung Electrinicsが中心となって設立した団体で、家庭内の無線通信に向けた通信プロトコル「Thread」の普及活動を展開している。
人感センサーのリファレンスデザインは、単4乾電池2本で最長5年間動作し続けるという。人が通ったことを検知して照明を点灯させるといった用途だけでなく、不法侵入を検知するシステムにも利用できる。人感センサーだけでなく、環境光センサー、室温センサー、湿度センサーも搭載している。
図 人感センサーのリファレンスデザイン
出所 Silicon Laboratories
スマートコンセントのリファレンスデザインは、Webブラウザでアクセスできる操作画面を用意しており、ユーザーはこの画面で通電の停止、再開といった操作ができるだけでなく、電流や電圧の値を確認することができる。また、世界中で利用できるように対応電圧は110V~240Vとなっている。人感センサーと同様に、環境光センサー、室温センサー、湿度センサーも搭載している。
図 スマートコンセントのリファレンスデザイン
出所 Silicon Laboratories
どちらのリファレンスデザインも、ソフトウェアの改良、開発に、Silicon Laboratoriesの統合開発環境「Simplicity Studio」を利用できる。Simplicity StudioはSilicon LaboratoriesのWebページからダウンロードでき、無料で利用できる。