世界最大の液化水素船を建造へ、JSEと川崎重工

4万立方メートル積載で30年度までに実証

インプレスSmartGridニューズレター編集部

2026年1月6日 (火曜) 17:07

世界最大となる液化水素運搬船の造船契約を締結

 日本水素エネルギー株式会社(以下、JSE)と、川崎重工業株式会社(以下、川崎重工)は、世界最大となる40000㎥型液化水素運搬船の造船契約を締結した。2030年度までに同船を活用した実証を実施する。2030年代の世界における水素需要に対応するのが目的であり、液化水素サプライチェーンを構築するための基盤の一角を成すとする。2026年1月6日に発表した。

図1 JSEと川崎重工が建造する40000㎥型液化水素運搬船のイメージ

2030年度までに実証試験を実施

 川崎重工は、2021年に世界に先駆けて1250㎥型液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」を建造するとともに、液化水素の荷役実証ターミナル「Hy touch 神戸」を建設し、2022年2月には、HySTRA(CO2 フリー水素サプライチェーン推進機構)による日豪間で液化水素を海上輸送・荷役するパイロット実証に世界で初めて成功した。今回、液化水素の搭載量をさらにスケールアップした40000㎥型の液化水素運搬船を同社坂出工場(香川県坂出市)で建造する。

 同船は、合計で40000㎥の液化水素用貨物タンクを搭載する。外部からの侵入熱により発生するボイルオフガス(BOG)を低減する断熱システムを採用しており、極低温の液化水素を大量輸送できるとしている。

 推進機関には、従来型の油を燃料とする発電用エンジンに加え、水素および油を燃料とする発電用二元燃料エンジンを搭載した電気推進システムを採用する。また、水素ガス圧縮機や水素ガス熱交換器で構成する水素ガス供給システムを搭載し、液化水素用貨物タンクから発生するBOGを船舶の推進用燃料として利用する。これにより、輸送時の二酸化炭素(CO2)排出量の削減につなげるという。

 大量の液化水素の荷役に対応する貨物運用システムを搭載。また、陸上設備から船内の液化水素用タンクまで、極低温のまま効率的かつ安全に移送するために、真空二重配管を採用している。

 液化水素の比重が軽いことを考慮した船型および喫水にすることで、必要な推進馬力を小さくし、推進効率を高めるとする。

 水素燃焼システム、燃料供給システム、貨物運用システムに対するリスク評価を実施する。液化水素に起因するリスクが乗員、環境、構造強度、船の健全性に与える影響を排除し、安全性を確保するとしている。

 同船を活用し、JSEが事業主体として進めている、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業「液化水素サプライチェーンの商用化実証」で、基地と船間での液化水素の荷役実証、ならびに国際間の海上輸送を模した外洋条件下での実証試験を2030年度までに実施する。

 JSEは、同船と川崎市扇島に建設中の液化水素基地「川崎LH2ターミナル」により、国際水素サプライチェーンの商用化に求められる性能、安全性、耐久性、信頼性、経済性などの要件を確認する商用化実証を通じ、水素の社会実装を進める。 今後、両社は、様々な企業と連携し、商用規模での国際的な液化水素サプライチェーンの構築を進める。

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