脱炭素算定を重量単位で精緻化、アスエネ

国内最大級の産総研DBを算定サービスに搭載

インプレスSmartGridニューズレター編集部

2026年1月7日 (水曜) 9:21

産総研の排出原単位データベースを算定サービスに搭載

 アスエネ株式会社(以下、アスエネ)は、同社の二酸化炭素(CO2)排出量可視化サービス「ASUENE」と、CFP(カーボンフットプリント)/LCA(ライフサイクルアセスメント)算定サービス「ASUENE LCA」に、国立研究開発法人産業技術総合研究所が開発する排出原単位データベース「IDEA(Inventory Database for Environmental Analysis)」(以下、IDEA)を搭載した(図1)。これにより、IDEAを活用した重量単位でのCO2排出量とCFP/LCAの算定により、算定業務の工数を削減するとともに、金額ベースでは把握しづらかった排出源の特定を可能にするという。2026年1月6日に発表した。

図1 「ASUENE」「ASUENE LCA」の画面イメージ

金額ベースでは把握しづらかった排出源や改善余地の把握が容易に

 CO2排出量やCFP/LCAは金額単位で算定するのが一般的である。金額単位による算定は、物価変動や調達価格の影響を受けやすい。そのため、製造・調達の領域では、重量単位での算定ニーズが高まっている。しかし、専門データベースの活用には知識や工数が必要であり、初期導入の障壁となっているという。

 IDEAは、5600項目以上の原単位を搭載し、国内最大級だという。これにより、候補データの検索や単位変換、排出源の紐付けといった作業負荷を軽減できるとする。

 ASUENEとASUENE LCAは、IDEAを搭載することで、重量(kg)単位でのCO2排出量やCFP/LCAの算定により、金額単位の算定では把握しづらかった排出源や改善余地を精緻に把握できるという。例えば、代替材の検討や部材変更・設計段階での排出影響比較、購買・調達ガイドライン策定の根拠データ取得など、実務の意思決定に直結する分析が可能だとする。

 アスエネによると、EU域外から輸入品に炭素価格調整を課す「CBAM(EU炭素国境調整メカニズム)注1」や、サステナビリティ情報開示を義務化する「CSRD(EU企業持続可能性報告指令)注2」、日本の金融庁が主導する「SSBJ(サステナビリティ開示基準)注3」などの国際・国内規制が本格運用に向かう中、CO2排出量の算定における精度と透明性は、取引先との信頼形成や企業の競争力に直結する重要な要素になっている。


注1:CBAM(EU炭素国境調整メカニズム):EU域外からの輸入製品(鉄鋼、アルミ、肥料など)に対し、製造過程で排出されたCO2量に応じて「炭素価格」の支払いを義務付ける制度。2026年から本格運用が始まり、算出には「製品1トンあたりの排出量」という重量ベースの精緻なデータが要求される。
注2:CSRD(EU企業持続可能性報告指令):EUで活動する大企業や上場企業を対象とした、サステナビリティ情報の開示義務。環境負荷の数値だけでなく、その算定根拠(透明性)も重視される。
注3:SSBJ(サステナビリティ開示基準):日本の財務会計基準機構(FASF)の下に設置されたサステナビリティ基準委員会が策定する、日本版の開示基準。国際基準(ISSB)に準拠しており、日本のプライム市場上場企業などを対象に義務化が進む見通し。

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