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ソーラーフロンティアがCIS太陽電池の変換効率世界記録を樹立、夏ごろに新技術を応用した製品の量産開始を予定

2017/02/28
(火)
SmartGridニューズレター編集部

ソーラーフロンティアは2017年2月27日、CIS系の薄膜太陽電池モジュールの試作品が、エネルギー変換効率19.2%という記録を樹立したと発表した。

ソーラーフロンティアは2017年2月27日、CIS(Copper、Indium、Selenium:銅、インジウム、セレン)系の薄膜太陽電池モジュールの試作品が、エネルギー変換効率19.2%という記録を樹立したと発表した。これまで、CIS系薄膜太陽電池の変換効率の世界記録は2012年2月にソーラーフロンティアが樹立した17.8%だったが、5年ぶりに記録を更新した。また、ソーラーフロンティアによると今回達成した値は、すべての種類の薄膜太陽電池の記録を超える世界最高記録になるとしている。

今回、世界記録を樹立したのは30cm角の「サブモジュール」。また、7cm×5cmのミニモジュールでは、変換効率19.8%という記録を残したとしている。今回の新記録樹立は、ソーラーフロンティアの厚木リサーチセンターが国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同で取り組んだ研究の成果だという。

一般にCIS太陽電池は表面から透明導電膜、バッファ層、光吸収層、裏面電極、ガラス基板の順で層を作っている。今回の記録はCIS太陽電池の「光吸収層」の膜の作り方を改良し、「バッファ層」に使う材料を変更することなどで達成した。光吸収層はCIS太陽電池の主となる部分であり、銅、インジウム、セレンなどから成る薄膜となっており、光がここに届くことで発電する。そして光吸収層はp型半導体となっており、その上にバッファ層を重ねることでpn接合を作り、電力を取り出せるようにしている。

図 世界記録を達成したサブモジュールと、開発チーム

図 世界記録を達成したサブモジュールと、開発チーム

出所 ソーラーフロンティア

ソーラーフロンティアの厚木リサーチセンターの役目の1つに、ソーラーフロンティアの主力量産工場向けに生産装置の原型を作り、新開発した技術をいち早く商業生産に導入するという役目がある。今回世界記録達成に役立った技術も一部であるが、早期に量産工場に導入する予定。ソーラーフロンティアは同社の国富工場で、今夏ごろから新技術を応用した製品の量産を始める計画を打ち出している。新製品は、既存製品よりも変換効率が大きく向上する見込みだ。


■リンク
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
ソーラーフロンティア

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