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テキサス州オースティンの電力会社が大規模蓄電池を導入、再エネの導入量増加を狙って

2017/06/06
(火)
SmartGridニューズレター編集部

ドイツYounicos社は、オースティンをサービスエリアとする電力会社に、大規模蓄電池を納品する契約を交わしたと発表した。

ドイツYounicos社は2017年5月30日(現地時間)、アメリカ・テキサス州オースティンをサービスエリアとする電力会社であるAustin Energy社に、大規模蓄電池「Y.Cube」を納品する契約を交わしたと発表した。Younicos社はこの契約で7台のY.Cubeを納品し、合計出力は1.75MW(1750kW)、蓄電容量は3.2MWh(3200kWh)となる。Younicos社にとって、アメリカでは最大の導入例となるという。

図 定置型蓄電池「Y.Cube」。今回はこれを7台納品する

図 定置型蓄電池「Y.Cube」。今回はこれを7台納品する

出所 Younicos社

この蓄電池の導入はAustin Energy社が掲げるSHINES(Sustainable and Holistic Integration of Energy Storage and Solar PV)プロジェクトの一環。これはアメリカ・エネルギー省から430万ドル(4億7300万円:1ドル=110円として計算)の支援を受けて実施する。このプロジェクトでは出力合計が4MWとなる太陽光発電設備と、出力合計が4MWとなる分散配置の蓄電池や発電量などを予測するシステムなどを導入し、再生可能エネルギーによる発電設備と、蓄電池を電力系統に投入する最適な方法を探ることを目的としている。

例えば、蓄電池を住宅や商業ビルの近隣に設置して、安全に運用する方法を研究する。Austin Energ社のGeneral Managerを務めるJackie Sargent氏は「蓄電池と太陽光発電設備を連携させて動作させることは重要な目標だ。SHINESプログラムは単純な技術検証にとどまるものではない。太陽光発電設備や蓄電池などの分散配置した電源がもたらす価値を最大化し、顧客にその価値を還元し、電力系統がそれを受け入れられるようにするという目標がある」と語っている。ちなみに、オースティン市は2025年までに総供給電力のうち55%を再生可能エネルギー由来のものになるという目標を掲げている。


■リンク
Younicos社

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