アメリカSC Johnson社は2017年5月31日、ミシガン州ベイシティにある同社の工場が100%風力発電による電力で動き出したと発表した。この工場は同社のZiplocブランドのビニールバッグを製造している工場だ。近隣の風力発電所から電力を購入する契約を結んで、100%風力発電による操業を可能にしたとしている。
図 アメリカでは、Ziplocブランドのバッグの生産に、100%風力発電の電力を使用することになった
出所 SC Johnson社
SC Johnson社にとって、電力を100%風力発電で賄う工場はこれが世界で3カ所目だという。2009年にはオランダの首都アムステルダムの近くにあるマイドレヒト工場に自前で風力発電機を設置し、工場で消費する電力の50%をこの風力発電機によるもので賄っていた。そして2015年には周囲の風力発電所と電力買い取り契約を締結し、完全に風力発電による電力のみで操業を始めた。
2016年には、ポーランド西部のドイツ国境に近い町ゴジュフ・ヴィエルコポルスキにある工場が、風力発電所と電力買い取り契約を結び、工場で消費する電力を100%風力発電によるものに転換した
また、同社にとって世界最大の工場である「SC Johnson's Waxdale manufacturing facility(ウィスコンシン州・マウントプレザント)」では、2012年に工場内に自前の風力発電設備を2台設置した。風車の直径がおよそ127mにもなる巨大なもので、年間におよそ8GWh(800万kWh)を発電する。この工場では風力発電による電力と、やはり自前で設置したコージェネレーションシステムで電力を賄っている。コージェネレーションシステムは、近隣のゴミ処理場の地中に発生するメタンを燃料としている。
図 SC Johnsonn社にとって世界最大の工場である「SC Johnson's Waxdale manufacturing facility」では、2台の風力発電機が稼働しており、年間でおよそ8GWhの電力を発電する
出所 SC Johnson社
SC Johnson社は世界の他の拠点でも、再生可能エネルギーの活用を進めている。例えばインドネシアでは本来は廃棄物となるものをバイオマス燃料として利用して発電し、その電力を利用しているという。世界中の拠点全体で計算すると、全消費電力量のうち32%以上を再生可能エネルギーから得ているという。同社は今後も地球環境保護のために再生可能エネルギーの導入を進める予定だ。
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SC Johnson社