[ニュース]

エリーパワー、寒冷地でも高性能を発揮する定置型蓄電池ー無線アップデートでVPP対応も

2018/01/29
(月)
SmartGridニューズレター編集部

エリーパワーは、住宅用定置型蓄電池の新製品「POWER iE5 Link」を発表した。4月から出荷開始の予定。

エリーパワーは2018年1月29日、住宅用定置型蓄電池の新製品「POWER iE5 Link」を発表した。4月から出荷開始の予定。最大の特徴は同社が新たに開発した大型リチウムイオン蓄電池セルを採用した点にある。この蓄電池セルは、同社が従来生産していた蓄電池セルを改良し、エネルギー密度を向上させ、同じ体積のセルにより多くの電力を充電できるようにしたものだ。エリーパワーはこの新しい蓄電池セルを寒冷地で試験し、高い性能を発揮することを確認しているという。

図 エリーパワーの定置型蓄電池「POWER iE5 Link」。左側がパワーコンディショナーで、右側が定置型蓄電池ユニット

図 エリーパワーの定置型蓄電池「POWER iE5 Link」。左側がパワーコンディショナーで、右側が定置型蓄電池ユニット

出所 エリーパワー

エリーパワーはこれまで、顧客に納品した蓄電池の運転状態を遠隔監視するために、蓄電池システムの稼動状態を電話回線経由で収集する仕組みを搭載していた。今回の新製品はNTTドコモのLTE回線に対応する通信機能を新たに搭載した。発売当初は従来通り、各顧客の蓄電池の稼働状況を監視するサービスを提供するが、将来はLTE回線を通して制御ソフトウェアをアップデートすることで、VPP(Virtual Power Plant)や、デマンドレスポンスなどに対応する予定だ。ちなみに、LTE回線の使用料は発生しない。

さらに、Bluetooth 5の通信機能も搭載している。これは宅内に設置した各種センサーや対応機器と通信して、蓄電池と協調動作することで新しいサービスの提供を狙って搭載したものだ。

蓄電池ユニットとセットで販売するパワーコンディショナーは、従来製品のおよそ半分まで本体サイズを縮小し、壁掛け設置を可能にした。このパワーコンディショナーは太陽光発電モジュールにも対応しており、モジュールが発電した直流の電力を変換することなくそのまま蓄電池に充電することが可能になっている。

発売する製品は、蓄電容量が5.4kWhのものと、10.8kWhのものの2種類。5,4kWhのものにはパワーコンディショナーと蓄電池ユニットが1つずつセットになっており、10.8kWhのものは、パワーコンディショナー1台に対し、蓄電池ユニットを2つセットにしている。価格はどちらもオープンだが、エリーパワーは蓄電容量が5.4kWhの製品の販売価格がおよそ180万円(税別)になると想定しているという。そして、10.8kWhの製品はおよそ280万円(税別)と想定している。


■リンク
エリーパワー

TOPに戻る

関連記事
新刊情報
5G NR(新無線方式)と5Gコアを徹底解説! 本書は2018年9月に出版された『5G教科書』の続編です。5G NR(新無線方式)や5GC(コア・ネットワーク)などの5G技術とネットワークの進化、5...
攻撃者視点によるハッキング体験! 本書は、IoT機器の開発者や品質保証の担当者が、攻撃者の視点に立ってセキュリティ検証を実践するための手法を、事例とともに詳細に解説したものです。実際のサンプル機器に...
本書は、ブロックチェーン技術の電力・エネルギー分野での応用に焦点を当て、その基本的な概念から、世界と日本の応用事例(実証も含む)、法規制や標準化、ビジネスモデルまで、他書では解説されていないアプリケー...