イギリスの石油大手BPは2018年5月22日(グリニッジ標準時)、同社のコーポレートベンチャーキャピタルであるBP Venturesが、急速充電技術を開発しているイスラエルStoreDotに2000万ドル(22億2000万円:1ドル=111円で換算)を投資すると発表した。StoreDotはリチウムイオン蓄電池向けの急速充電技術「Flash Battery」を開発しており、この技術をスマートフォンや電気自動車(EV)に応用することを目指して研究を続けている。
図 Flash Battery技術を応用した車載用リチウムイオン蓄電池のイメージ
出所 StoreDot
StoreDotはFlash BatteryをEVに応用すると、5分の充電で約300マイル(約482.8km)走行できるほどの電力を充電できるとアピールしている。また、ほかの急速充電技術とは異なり、急速充電によってリチウムイオン蓄電池のサイクル寿命を損なうこともないという。
BPの流通部門でCEOを務めるTufan Erginbilgic氏は「StoreDotが持つ技術は、EVの充電をガソリン車の給油と変わらない時間で完了させる可能性を持っている。EV利用者にとって革新的な選択肢となる技術だ。このような技術の開発を支援する機会を得ることができて興奮している」と、今回の投資に至った理由を説明している。ちなみにBPは2018年1月に、可搬型のEV向け急速充電器を開発しているアメリカFreeWire Technologiesに投資している。またBPは、世界合計70カ所以上にEV向け充電ステーションを開設している。
StoreDotはFlash Battery技術を、まずスマートフォンの充電池で実用化することを目指して開発を続けている。この技術をスマートフォンが内蔵するリチウムイオン蓄電池に応用すれば、5分でフル充電が可能になるという。StoreDotは、2019年までにはFlash Battery技術を応用したスマートフォン向けリチウムイオン蓄電池を市場に投入するとしている。