コマツとNTTドコモは5月23日、第5世代移動通信方式(5G)を利用して建設機械を遠隔制御する実証実験を実施すると発表した。実験は24日から開始する。コマツは情報通信技術を投入した建設機械や、建設機械の稼働情報を遠隔監視するシステム「KOMTRAX」、施工現場の現状と完成後の3Dモデルから施工法を算出し、建設機械を計画に従って自動制御することで、短時間で正確な施工を可能にするシステム「スマートコンストラクション」を開発するなど、建設現場への情報通信技術の導入に積極的に取り組んでいる。
今回の実証実験ではLTEよりも大量のデータを送信可能な5G通信技術を応用して、施工状況の映像を遠隔地にある施工管理センターに送信し、センターからは建設機械を制御する信号を5Gで送信する。前述のようにコマツは建設現場への情報通信技術の導入に積極的な企業だ。コマツがこれまで開発してきたサービスや建機に5G通信機能を加えることで、建設現場から遠く離れたオフィスからでも施工現場の状況を正確に把握し、正確かつ効率の良い施工と施工管理が実現するという。
図 建設現場の状況を5Gで送信することで、遠く離れたオフィスからでも施工管理が可能になる
出所 コマツ
コマツとNTTドコモはこの実験の結果から、施工精度などの課題を洗い出して分析し、2020年以降の実用化を目指すとしている。また、建設・鉱山の現場にIoTの技術をさらに投入する可能性を探り、工事作業をより安全で生産性が高いものにするために貢献していくともしている。