CO2排出量9億800万トンで90年度以降最少、資源エネルギー庁が発表

2024年度エネルギー需給実績(速報)を発表

インプレスSmartGridニューズレター編集部

4:45

2024年度のCO2排出量は9億800万トンで前年度比で1.4%減

 資源エネルギー庁は、2024年度のエネルギー需給実績(速報)を2025年12月12日に発表した。エネルギー起源の二酸化炭素(CO2)排出量は9億800万トンで、前年度比で1.4%減、2013年度比で26.5%減となり、1990年度以降の最少を更新した(図1)。エネルギー消費総量が減り、非化石燃料が増えたのにともない、化石燃料の使用量が減ったことでCO2排出量が減少したという。

図1 エネルギー起源CO2排出量

製造業のCO2排出量が前年度比1.8%減

 部門別のエネルギー起源CO2排出量は、企業・事業所他が4億9800万トンで前年度比1.2%減となった。その内、製造業が3億1200万トンで前年度比1.8%減、農林水産鉱建設業が2500万トンで前年度比0.5%減、業務他が1億6100万トンで前年度と増減なし。また、運輸部門は1億8700万トンで前年度比1.6%減、家庭は1億4700万トンで前年度比0.8%減となった(図2)。

図2 部門別CO2排出量

 最終エネルギー消費は、1万1313PJ(ペタジュール)で前年度比1.7%減となった(図3)。エネルギー源別では、再生可能・未活用エネルギーが50PJで前年度比25.3%増と大幅に拡大した。石炭、石油がともに3.7%減少したが、都市ガスが1.4%増、電力が1.0%増となった。部門別では、企業・事業所他部門は2.2%減で、うち製造業は3.2%減。運輸は貨物、旅客ともに減少し1.5%減で、うち貨物が2.8%減、旅客が0.6%減となった。一方で、家庭部門が横ばい。電力消費は、企業・事業所他が1.1%増加で、うち製造業は横ばい、家庭が0.7%増加した。

図3 最終エネルギー消費

 一次エネルギー国内供給は、1万8379PJで前年度比1.1%減。うち化石燃料は1.9%減で、非化石燃料は2.2%増となり、化石エネルギー依存度は0.6%ポイント低下した(図4)。化石燃料は、石炭が1.1%減、天然ガス・都市ガスが0.3%減、石油が3.4%減といずれも減少。シェアが19.9%まで上昇した非化石燃料は、発電プラントが新たに2基再稼働した原子力(9.6%増)が主にけん引。再生可能エネルギー(水力を除く)は1.2%増加した。

図4 一次エネルギー国内供給

 発電電力量は9922億kWhで前年度比0.5%増となった(図5)。非化石電源比率は32.5%に上昇した。発電電力量の構成は、再生可能エネルギー(水力を含む)が0.1%ポイント増の23.0%、原子力が0.9%ポイント増の9.4%、火力(バイオマスを除く)が1.1%ポイント減の67.5%。


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