e-メタン製造にバイオエタノール活用で水素使用4分の1、大阪ガスが新技術

世界初のエタノールメタネーションに成功

インプレスSmartGridニューズレター編集部

2026年1月14日 (水曜) 14:31

バイオエタノールを原料とするe-メタン製造技術

 大阪ガス株式会社(以下、大阪ガス)は、バイオエタノールを原料にe-methane(e-メタン)注1を製造する技術「エタノールメタネーション」を開発した(図1)。従来の二酸化炭素(CO2)を原料とする方式と比べ、バイオエタノールに含まれる炭素を活用することで、水素の使用量を4分の1に削減できるという。エタノールからメタンを主成分とする混合ガスの安定的な製造にラボスケールで成功したのは、世界初だとする。2026年1月14日にプレスリリースを発表した。

図1 バイオエタノールからe-メタンを製造するプロセスの概要

水素と再エネ電力の使用量を大幅に削減

 エタノールメタネーションは、植物由来のバイオエタノールを水素(H2)と反応させてメタン(CH4)を生成する技術である。従来の「サバティエメタネーション注2」がCO2と水素を原料とするのに対し、バイオエタノールに含まれる炭素を活用するため、外部から調達が必要な水素の量を4分の1に抑えられるという。

 水素製造に要する再生可能エネルギー電力も同様に4分の1で済むため、電力コストの低減が可能だとする。原料となるバイオエタノールは、トウモロコシやサトウキビ由来のカーボンニュートラルな燃料であり、生成されたメタンの燃焼時に発生するCO2も排出量として計上されない。

 開発では、反応プロセスの1段目でエタノールを完全に別の物質へと変換する工程に課題があった。同社が保有する触媒技術を活用し、バイオエタノールを安定的にメタンを主成分とする混合ガスへ変換できることを確認したとする(図2)。

図2 エタノールメタネーションの反応プロセス

 ラボスケールの評価試験では、2000時間にわたる連続運転で反応率100%を維持し、高い耐久性を実証したとする。2段目以降の工程については、既に確立されているサバティエメタネーションの技術を応用し、メタン濃度を高めることが可能であり、技術的課題は概ね解消されたとしている。

 大阪ガスは現在、複数のメタネーション技術の開発を並行して進めている。微生物を活用した「バイオメタネーション」や、高エネルギー変換効率の「SOECメタネーション注3」に加え、今回のエタノールメタネーションがラインアップに加わることで、外部環境の変化に対して柔軟な対応が可能になると見込む。

 今後はプラント設計の知見を持つエンジニアリング会社などと連携し、プロセスの最適化や数千時間規模の長期耐久試験、商用化に向けたスケールアップの検討を進める。


注1:e-methane(e-メタン):グリーン水素等の非化石エネルギー源を原料として製造された合成メタンの呼称。
注2:サバティエメタネーション:二酸化炭素(CO2)と水素(H2)を触媒反応させて、メタン(CH4)と水を生成する技術。 
注3:SOECメタネーション:固体酸化物形電解セル(SOEC)を用い、水蒸気とCO2を電気分解して合成ガスを生成し、メタンを合成する高効率な技術。

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