セメント製造でアンモニア3割混焼、UBE三菱セメントが実証

商業規模では世界初

インプレスSmartGridニューズレター編集部

2026年2月10日 (火曜) 8:00

世界初のセメント製造にアンモニア混焼の商業規模実証

 UBE三菱セメント株式会社(以下、UBE三菱セメント)は、セメント製造時の燃料の一部にアンモニアを使用する実証実験を開始した。商業規模での実証試験は世界初という。石炭の使用を熱量比で30%削減することを目指す。2026年2月9日に発表した。

図1  アンモニア混焼時におけるセメントキルンバーナーの様子

出所 PR TIMES UBE三菱セメント株式会社 2026年2月9日、「【世界初】セメント製造の脱炭素化へ、セメントキルンにおける「商業規模」でのアンモニア混焼を開始。熱エネルギー代替率30%を目指す」

独自の制御技術で燃焼を最適化

 今回の実証では、山口県宇部市にある同社山口工場で、セメントの中間製品「クリンカ」を製造するセメントキルン(焼成炉)注1と、その前工程で使用する仮焼炉注2で、アンモニアを石炭と混焼する。セメントキルンでは石炭をアンモニアに熱量比で30%代替する目処が立っており、現在は仮焼炉で30%代替に向けた試験を進めている。

 アンモニアは燃焼時にCO2を排出しない一方で、アンモニアの混焼率を増やすとバーナ火炎温度が低下して十分にクリンカを焼成できない、燃焼時におけるNOx(窒素酸化物)の排出量が多いという課題があった。これらの課題に対し、同社は、小型燃焼炉を使用したアンモニア燃焼実験や、熱流体解析ソフトウェアを用いたシミュレーションにより、燃焼を最適化するための制御技術を確立したという。

 同社は、中期経営戦略で、地球温暖化対策をグループの最重要課題と位置づけ、原料由来のCO2回収・直接利用・貯留(CCUS)事業や、カーボネーション(CO2固定化)建材、水素とCO2からメタンを合成するメタネーション技術の開発を進めている。今回の実証は、その一環である。今後は、混焼で使用する燃料をアンモニアに加え、廃プラスチックなどの廃棄物リサイクル燃料も併用し、運転ノウハウの蓄積を進める。


注1:セメントキルン(焼成炉): 石灰石や粘土等の調合原料を1450℃の高温で焼成し、セメントの中間製品であるクリンカを製造する焼成炉。石炭や廃棄物などを熱エネルギー源に使用する。
注2:仮焼炉:セメントキルンでの焼成の前工程で、原料中の石灰石の脱炭酸反応を進行させる炉。石炭や廃棄物などを熱エネルギー源に調合原料を900℃程度に加熱する。

参考サイト

PR TIMES UBE三菱セメント株式会社 2026年2月9日、「【世界初】セメント製造の脱炭素化へ、セメントキルンにおける「商業規模」でのアンモニア混焼を開始。熱エネルギー代替率30%を目指す」

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