伊藤忠テクノソリューションズは2016年10月25日、企業がIoTシステムの活用方法を検証するための施設「IoTデジタルLAB」を開設した。数万ものセンサーからのデータの収集から加工、分析、分析結果の利用までの検証ができる施設だ。
2012年に同社が開設したビッグデータ処理の検証施設「Big Data Processing Lab」を基に、各種センサーとの連携機能を持たせた。また、データ分析の中でも最も時間と手間がかかる作業である、データ形式の統一などのデータを加工する機能も追加した。
図 IoTシステムでは、無数のセンサーからやってくる大量のデータを効率良く処理しなければならない
出所 伊藤忠テクノソリューションズ
ほかにも、大量のデータを効率良く処理するための機器とシステムを用意している。例えば、各種センサーや既存システムからデータを収集するシステムや、データの一次処理を端末側で済ませてしまうためのエッジコンピューティング機器、さらには高度な分析を実現する機械学習システムも用意している。伊藤忠テクノソリューションズはIoTについて、大量のデータを処理し続けるために大規模なシステムが必要になり、投資効果の算定が難しいとしている。今回開設した施設を利用すれば、データ処理にどれほどのシステムが必要なのかを検証することもできる。
また、この施設ではIoTの活用シナリオをいくつか想定して準備している。例えば、デバイスの温度管理や機器の故障予防、スマートデバイスを活用した店舗でのマーケティング、数万台のウェアラブル機器から得られるビッグデータの分析などのシナリオを想定しており、準備に長い時間をかけることなく検証を始めることができる。
伊藤忠テクノソリューションズは、2016年9月に開設したロボット研究施設「RoBo-LAB」との連携も進めるとしている。
■リンク
伊藤忠テクノソリューションズ