ナゴヤドームは2016年12月14日、球場を覆う屋根に太陽光発電システムを設置する工事が完了したと発表した。ドーム球場の屋根に太陽光発電システムを設置するのは、これが世界初の例となる。
図 ナゴヤドームの屋根。太陽光発電パネルは、中央の採光部を3列で囲むように設置した
出所 ナゴヤドーム
太陽光発電パネルはドーム屋根中央にある六角形の採光部を囲むように3列になる形で設置した。使用したパネルは三菱化学製のシート型アモルファスシリコン太陽電池パネル。柔軟な樹脂基板を採用しており、緩やかなカーブを描くドーム球場の屋根に適している。重量は1m2当たり3kg程度で、設置に当たって補強工事を実施する必要はないという。
図 設置した太陽光発電パネル。軽量で柔軟な基盤を使っており、ドームの屋根に向く
出所 ナゴヤドーム
設置したパネルの寸法は570mm×748mm。これを合計で1152枚設置した。1枚当たりの最大出力は61Wで、1152枚合計の最大出力は約70kW(7万272W)。年間発電量はおよそ6万2000kWhと見込んでいる。発電した電力は再生可能エネルギーの固定価格買取制度を利用して全量を中部電力に売電する。売電単価は1kWh当たり32円。
設置工事は2014年6月4日からおよそ2年半かかった。球場を取り囲むオープンデッキに人がいない時に工事を進めたが、予想よりも早く済んだという。予定では2017年6月30日に工事が完了する予定だった。工事がスムーズに進んだ要因として、ナゴヤドームは雨天の日が少ないなど、天候に恵まれたという点と、作業が進むにつれて作業員が設置作業に習熟して、予想以上のペースで工事が進んだ点を挙げている。
図 CO2排出量削減効果を森林面積に換算すると、この規模の森林になる
出所 ナゴヤドーム
ナゴヤドームは、太陽光発電システムを設置した理由として、地球環境改善への貢献という理由を挙げた。ナゴヤドームによると、今回設置が完了した太陽光発電システムによって、森林面積にして約9万1000m2のCO2排出量削減効果があるという。これはナゴヤドームの敷地全体の面積に相当する。
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ナゴヤドーム