特集【第1部 その2】ペロブスカイト太陽電池を支える2つのガイドライン ― 実装を後押しする設計・施工方針と評価基準の策定 ―

インプレスSmartGridニューズレター編集部

2026年7月29日 (水曜) 13:30

実用期を迎えた次世代太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」をめぐる国家的な取り組みが、政策・資金・技術開発の三位一体で加速している。2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画で「国産エネルギー」として明記され、2040年までに約20GWの導入を目指す目標が掲げられる中、政府は総額1兆円を超える支援策を打ち出している〔特集 第1部(その1)を参照〕。
こうした流れのなかで、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は「フレキシブル太陽電池を利用した太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン」を2026年3月18日に公表した。同月25日には、一般社団法人日本電機工業会(JEMA)が、ペロブスカイト太陽電池の評価法やシステム標準化に関する「ペロブスカイト太陽電池の業界ガイドライン」を策定・公表した。
本稿では、社会実装という新たな局面を拓くために制定された、2つのガイドラインの概要をお伝えする。

NEDOが長期安定電源化へ向け「設計・施工ガイドライン」を制定

 ペロブスカイト太陽電池の社会実装には、大きな課題がある。現在、太陽電池の主流となっているシリコン型太陽電池のパネルは重く硬いため、屋根への固定やアレイ(パネル配列)設計のノウハウが長年かけて蓄積されてきた。
 一方、ペロブスカイト太陽電池をはじめとするフレキシブル太陽電池は、薄くて軽量で曲げられるという特性をもつため、構造設計の考え方がまったく異なる。こうした、①新しい太陽電池の構造設計に対する知見の醸成促進と、②安全なシステムを構築するための情報整理を目的に、NEDOがまとめたのが「フレキシブル太陽電池を利用した太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン2026年版」である(写真1参照)。
 その作成にあたり、NEDOは委託事業「太陽光発電導入拡大等技術開発事業/発電設備の長期安定電源化技術開発」の一環として、建築・電気・腐食防食などの有識者によるワーキンググループを組成。東北大学・日本大学・東京理科大学・横浜国立大学・京都大学などの学識経験者をはじめ、産業界の委員、さらに国土交通省・経済産業省・環境省・NEDOなどのオブザーバーが参加する体制で議論を重ね、2026年3月18日に公表した(表1)。

 

写真1 柔軟・軽量などの特長を生かしたフレキシブル太陽電池を試験的に設置した事例
(左:積水化学工業株式会社・積水ソーラーフィルム株式会社、右:日揮株式会社)

 

表1 NEDOによる太陽光発電システムの信頼性・安全性向上に関するガイドライン

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