NECネッツエスアイは2017年3月29日、世界79カ国で利用できるIoT機器向けSIMカード「ネッツワイヤレス グローバル」を4月から発売すると発表した。NECネッツエスアイの完全閉域携帯電話回線網「ネッツワイヤレス」と、世界79カ国の携帯電話通信事業者のネットワークを利用できる。
世界規模でIoTサービスを展開しようとすると、端末の通信方法が問題になる。SIMカードで携帯電話通信網を利用しようとしても、国ごとに携帯電話通信事業者と回線契約が必要。さらに、それぞれの国の携帯電話通信事業者が指定するSIMカードを現地で組み込む作業が発生するなど、手続きや準備に大きな手間がかかっていた。
ネッツワイヤレス グローバルを利用すれば、各国携帯電話通信事業者との契約をNECネッツエスアイが一本化してくれるので、契約にかかる手間を省け、国ごとに異なるSIMカードをカードを組み込む必要もなくなる。日本国内から、それぞれのSIMカードの利用状況を一元管理できるという利点もある。
さらに、ローミングを使用せず、現地携帯電話通信事業者の回線を利用するので、現地と同じ水準の価格で通信網を利用できる。インターネットを通す必要のない通信なら、閉域網「ネッツワイヤレス」を利用できるので、機密データの送信にも向く。
図 ネッツワイヤレス グローバルが提供するサービス
出所 NECネッツエスアイ
今回発売するネッツワイヤレス グローバルの利用者は、NECネッツエスアイの検証、評価施設を使って、世界各国に向けた製品が稼働するかどうかを検証することもできる。さらに、NECネッツエスアイが運営する物流基盤「Service Delivery Operation Center」(東京都江東区)を利用できる。この施設では、製品の保管、設定、修理、評価検証、配送などにサービスを受けられる。
ネッツワイヤレス グローバルの利用料金は1カ月当たりの通信量が10Mバイトまでの場合、月額300円から。50Mバイトまでの場合は月額1080円から。別途初期費用が発生する。さらに、この価格はインターネットに接続する場合の価格となり、完全閉域網の接続する場合は別料金となる。プランで規定している通信量を超過した分は従量課金となる。現在は世界79カ国で利用できるが、2017年末までに利用可能な国を約100カ国に拡大する予定だ。
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