三菱ふそうトラック・バスは2018年3月16日、同社が開発した世界初の電気トラック(EVトラック)「eCanter」をイギリスで初めて納車したと発表した。同社は2017年8月にeCanterの生産をポルトガルMitsubishi Fuso Truck Europe社の「トラマガル工場」(ポルトガル・サンタレン県)で開始している(参考記事)。トラマガル工場では、北米、ヨーロッパ各国に向けてeCanterを合計で100台生産する予定となっている。
図 三菱ふそうトラック・バスのEVトラック「eCanter」
出所 三菱ふそうトラック・バス
今回の納車先は、運送業者であるDPD、製粉業者であるHovis、物流業者であるWincantonの3社。各社ともに、ロンドン市とその周辺の物品配送にeCanterを運用する。騒音や排ガスの低減だけでなく、車両運用コストの低減も期待しているという。三菱ふそうトラック・バスはeCanterの性能を検証し、その結果ディーゼルエンジン車と比べて、走行距離1万km当たり最大1000ユーロ(13万円:1ユーロ=130円で換算)のコスト削減効果があるとしている。
DPDは当面の2年間は、eCanterを1台だけ運用する。Hovisは2台を運行し、Wincantonは5台を運用する。eCanterは総重量7.5トン、最大積載量は4.5トン。専用のリチウムイオン蓄電池6個を電源とし、満充電状態から100km以上の走行が可能。
三菱ふそうトラック・バスは2018年から、新技術の実現可能性を検討しながら製品ラインナップの電動化を徐々に進めていくとしている。製品開発では、親会社であるDaimlerの技術や知見を活かしていく方針を示している。
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