United Parcel Service(UPS)は2018年7月31日(アメリカ東部標準時)、カリフォルニア州ロサンゼルスの配送業務に新開発の中型電気トラック(EVトラック)を投入すると発表した。ロサンゼルスを拠点にトラックを開発製造しているThor Trucksと共同で車両を開発し、2018年中に配送業務に投入するとしている。
図 UPSがThor Trucksと共同で開発する配送用中型EVトラック
出所 United Parcel Service
Thor Trucksと共同開発する車両は、高性能で耐久性に優れ、軽量な蓄電池を搭載するとしている。その車両の航続距離は時速にしておよそ100マイル(約161km/h)になる予定だ。UPSはこの車両を業務で使用しながら、並行して6カ月間に渡るテストを実施する。このテストは業務を兼ねたものではなく、悪路を走行した時の耐久性や、蓄電池の蓄電容量、細かな技術的なポイントなどを検証する。さらに、業務運行で問題が発覚したら、このテストで検証するとしている。順調に運用できると判断できたら、同種のEVトラックを追加導入するという。
UPSはガソリン車からの脱却を目指して、さまざまな手段を検証している。2017年5月には、カリフォルニア州サクラメントに配送用燃料電池車(PHV)の試作車を投入し(参考記事)、2017年7月には2020年までに配送者の1/4を代替燃料車あるいはPHV/EV/FCVに転換すると発表している(参考記事)。
2017年11月には、ニューヨークを走る配送車両をEVに転換することを明らかにしている(参考記事)。この際には、ディーゼルエンジン車をEVに改造するキットを開発し、このキットを使って既存のディーゼルエンジン車をEVに転換していく方針を示している。さらに、2018年5月には、ロンドンとパリに配送用の小型EVトラックを投入すると発表している(参考記事)。用途と場所に合わせた車両を模索しながら、EV、FCV、代替燃料車などのうちからどれが本命になるのかを見定めていると考えられる。