政府がペロブスカイト普及へ規制緩和、2026年度中に措置
2026年5月28日 (木曜) 10:07
危険物施設の安全対策・工場での面積算出・BIPV設計基準を見直し
政府は、ペロブスカイト太陽電池をはじめとする次世代型太陽電池の本格普及に向け、導入の壁となっている規制の見直しを進めている。関係省庁が連携し、危険物取り扱い施設におけるフィルム型の安全対策、工場立地法の面積算出ルール、建材一体型太陽電池(BIPV)注1設計基準の3つを対象に整理し、2026年度(令和8年度)中の措置実現を目指す。内閣府が2026年5月26日に開催した規制改革推進会議のワーキンググループで進捗を示した。
工場などでの安全対策見直しフィルム型設置容易に
自動車工場やガソリンスタンドなどの危険物を取り扱う施設に、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を導入する場合、消防庁の「危険物施設に太陽光発電設備を設置する場合の安全対策等に関するガイドライン」が参考にされている。同ガイドラインでは、火災対策としてモジュールをカバーガラス等で挟み込む構造が求められており、フィルム型の利点が損なわれることが課題だった(図1)。これに対し、消防庁は、フィルム型の特徴である軽量さや柔軟性を損なわない新たな安全対策を整理し、2026年度中にガイドラインなどで明確化する。
図1 「危険物施設に太陽光発電設備を設置する場合の安全対策等に関するガイドライン」では、危険物施設に太陽光発電設備を設置する場合、モジュールをカバーガラスなどで挟み込む必要がある。
出所 内閣府 2026年5月26日、「第3回 GX・サステナビリティサブワーキング・グループ」
「工場立地法」では、一定規模以上の工場に対し、敷地の25%以上を緑地や太陽光発電施設などの「環境施設」とするよう義務付けている。これまで、この施設の広さを測る際は対象物を真上から見た「水平投影面積」を基準としており、壁面設置時は水平延長に1.0mを乗じて面積を算出する手法などもとられていた。しかし、垂直方向の長さが1.0mを超える場合は面積が過小評価される課題があった。経済産業省は、水平投影面積に加え、対象物の面積を正面から測定する「鉛直投影面積」も認める方針だ(図2)。2026年度中に工場立地法の運用例規集やFAQ集などへ明記してルールを整備する。
図2 現在用いられている水平延長に1.0mを乗じる算出方法(上)と、経済産業省が新たに認める「鉛直投影面積」の算出方法(下)
出所 内閣府 2026年5月26日、「第3回 GX・サステナビリティサブワーキング・グループ」
BIPVは、建築資材、電気工作物という2つの機能を併せ持つことから、耐風圧や積雪荷重などの安全確保において、「建築基準法」と「電気事業法」のどちらの適用を受けるのかが不明確だった。そのため、設計時の荷重を算出するための基準(JIS C 8955)からも適用対象外とされていた。
これに対応するため、国土交通省と経済産業省が連携して2026年度中に新たな基準を設ける。具体的には、国土交通省が、屋根ふき材などの建築物にあたる部分は「建築基準法」の適用を受けることを通知する。一方、経済産業省は、電気事業法の関連省令にBIPVの具体的な荷重算出方法を追記し、設計上のルールを明確にする。
注1:建材一体型太陽電池(BIPV):Building-Integrated Photovoltaics。外壁や窓ガラスなどの建設資材としての役割と、太陽光発電を行う電気工作物としての機能を併せ持つ太陽電池。
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