営業車両に次世代バイオ燃料を導入、JR九州が実証
2026年5月27日 (水曜) 17:04
次世代バイオ燃料で軽油を代替
九州旅客鉄道株式会社(以下、JR九州)は、廃食用油や植物油を原料とする次世代バイオ燃料を営業列車に導入する実証試験を開始した(図1)。地球温暖化の原因となる温室効果ガス(GHG)の排出量削減を目指し、軽油に代わる燃料としての実用性を検証する。2026年5月22日に発表した。
図1 次世代バイオ燃料を用いた実証試験の対象車両であるYC1系のイメージ
出所 九州旅客鉄道株式会社 ニュースリリース 2026年5月22日、「次世代バイオ燃料の導入に向けた実証試験開始」
伊藤忠エネクス製の燃料を採用し3線走行線区で検証
実証で使用する「HVO注1」は、廃食用油や植物油を原料とし、水素処理によって精製した再生可能なディーゼル燃料。従来の軽油とほぼ同等の化学構造を持つため、エンジンの改造や燃料タンクなどの設備を改修せずに使用できる「ドロップイン燃料注2」である。
燃料には、伊藤忠エネクス株式会社が製造・供給する「FINE DIESEL」を採用した。同燃料は、軽油に対して最大40パーセントの割合でリニューアブルディーゼル注3を混合したものである。
車両はYC1系を使用し、3両編成のうち1両に対して定期的にHVOを給油する。営業運転における運用データの収集を行う。なお、対象となる試験車両には、車内および車外に専用のステッカーを掲示する。
対象とする走行線区は、長崎本線の江北駅から長崎駅間(旧線を含む)、佐世保線の江北駅から佐世保駅間、大村線の早岐駅から諫早駅間。実証試験の期間は2026年5月27日から2028年3月までを予定している。
JR九州グループは、「JR九州グループ環境ビジョン2050」を掲げ、その取り組みの一環として、鉄道車両におけるGHG排出量を削減するため、HVOの導入を検討してきた。構内での試運転など必要な検証が完了したため、今回、実際の営業列車を用いた本格的な実証試験に移行する。
注1:HVO:Hydrotreated Vegetable Oil。廃食用油や植物油を原料とし、加水素分解および脱酸素といった水素処理によって精製された次世代の再生可能ディーゼル燃料。
注2:ドロップイン燃料:既存のエンジンや燃料タンクといった設備を改修・変更することなく、従来の化石燃料の代替としてそのまま利用できる燃料のこと。
注3:リニューアブルディーゼル:動植物油等の再生可能資源を原料として製造される、従来の軽油を代替する燃料。
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