PFAS除去後の「二次処理」が新たな課題に、セイスイ工業が調査

工場排水のPFAS対策と設備更新ニーズを調査

インプレスSmartGridニューズレター編集部

2026年1月23日 (金曜) 12:00

製造業でPFAS除去後の二次処理が課題に

 2026年4月1日に施行される改正水道法注1による水質基準強化を前に、製造業で約9割が期限内の対応を見込んでいる。こうした調査結果を水処理・汚泥処理を手掛けるセイスイ工業株式会社(以下、セイスイ工業)が2026年1月22日に発表した。その一方で、PFAS(有機フッ素化合物)注2除去後に発生する、汚泥や濃縮水の処理などの二次処理が課題になっているという。

PFAS対策用設備を30.5%が既に導入済み

 セイスイ工業の調査は、製造業における工場排水のPFAS対策と設備更新のニーズを調査したもの。2025年12月24日〜同年12月25日の期間に、製造業の環境管理・排水処理業務に携わる担当者または責任者を対象にインターネット調査を実施した。有効回答は111名。

 調査結果によると、2026年4月から施行される水道法のPFOS・PFOA注3水質基準強化について、担当者の85.5%が「詳しく知っている」または「ある程度知っている」と回答した。この高い認知度を背景に、実際の対策も進展している。粒状活性炭、RO膜注4、イオン交換樹脂などのPFAS対策用設備の導入・更新について、30.5%が「既に導入済み」と答え、58.9%が「2026年4月までに完了する見込み」としており、合計で約9割の企業が法規制の開始までに体制を整える方針である。

 PFAS対策を進める上での具体的な課題については、単純な「除去」の先にある工程に注目が集まっている。最も多くの担当者が課題として挙げたのは「PFAS対策で生じる汚泥の処理・処分」(46.8%)であり、次いで「工場からの排水管理」(40.5%)、「濃縮水注5の処理」(36.9%)と続いた。

 水・汚泥側のPFAS対策として最も検討されていたのは、「排水処理設備の導入・更新」(58.6%)で、それに「汚泥処理設備の導入・更新」(44.1%)、「PFAS濃度のモニタリング(定期測定)」(41.4%)が続く。

 基準値を超過した場合の緊急対応体制については、77.5%の企業が「整っている」と回答した。しかし、未整備の企業においては「緊急対応のための予算が確保されていない」(47.4%)ことが最大の障壁となっており、突発的な汚染事態への備えには依然として課題が残る。


注1:改正水道法:2026年4月より、PFOSおよびPFOAがこれまでの「暫定目標値」から、法的な拘束力を持つ「水質基準」へと格上げされる。

注2:PFAS(有機フッ素化合物):有機フッ素化合物の総称。高い撥水・撥油性を持つが、難分解性のため「フォーエバー・ケミカル(永遠の化学物質)」と呼ばれ、世界的に規制が進んでいる。

注3:PFOS・PFOA:PFASの一種。撥水性や耐熱性に優れるが、環境中での分解が極めて遅く、人体や生態系への影響が懸念されている。

注4:RO膜(逆浸透膜):水分子のみを透過させ、溶解しているイオンや分子、PFASなどの化学物質を阻止する性質を持つ膜。 

注5:濃縮水:RO膜などの膜処理プロセスにおいて、不純物が濃縮された状態で排出される廃液のこと。 
 

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